人間関係のトラブルで嫌な気分になったときの意外な対処法
対人関係のストレスがある人で実験
「嫌なことは徹底的に考えたほうがストレスが減る!」って実験(1)がおもしろかったのでメモ。
これはエクスター大学の実験で、約50名の男女を対象にしたもの。直近で「対人関係のストレス」が起きた人ばかりを選んだらしい。例えば、妻と大げんかしたとか、上司とバトルになったとか、そういったトラブルですな。
トラブルの様子を徹底的に思い出す
で、参加者に何をしてもらったかというと、
- トラブルの様子を事細かに思い出してください!
とお願いしたんですね。例えば、お題が「友人とのケンカ」だったら、
- どのように口論がスタートしたのか?
- そのとき自分は何を考えたのか?
- 正確にどんな言葉が飛び交ったか?
- 声の調子はどうだったか?
ぐらいのレベルまで、徹底的に細部にわたって思い出すトレーニングを6週間ほど続けたんだそうな。
トラブルを考え抜いたらレジリエンスが高まった
その結果は明白でして、トラブルを細かく思い出した人グループのほうが精神のリカバリーが速く、鬱傾向にもならずに済んだんですね。いわゆるレジリエンスが高まったわけですな。
と、ここで「あれ?」と思った方もおりましょう。というのも、当ブログでは過去に「鬱病の原因のひとつは反すう思考だ」って話を何度か書いております。昔の失敗を考え続けるとメンタルが悪化しちゃうんじゃなかったのか、と。
この問題について、研究者は次のようにコメントしております。
過去の失敗や損失を何度も思い返すと、確かに不安や鬱病の原因になる。(中略)いったん鬱状態にハマり込むと、他の人にとっては大したことのない問題でも、当人には大きなトラブルとして認識されてしまう。
ところが、過去のトラブルを明確化することで、ネガティブな影響をやわらげることが可能なのだ。
どういうことかと言うと、
- 悪い反すう思考=過去の失敗のイメージや感情がどんどんわきあがって飲み込まれたような状態
- 良い反すう思考=過去の失敗のイメージを積極的に思い描いて、客観的な距離が取れた状態
みたいな感じです。反すう思考に飲み込まれるんじゃなくて、逆に真正面から立ち向かって分解していけばいいわけっすな。
確かに、「過去の失敗をイジイジ考えるな!」と言われても難しいでしょうから、どうしても嫌な思考が頭を去らないときは徹底的に考え抜いてみるほうがわかりやすくていいかも。