お酒と水を交互に飲むと二日酔いしない!はどこまで本当か
水を大量に飲めば二日酔いにならない?
二日酔いの対策についてご質問をいただきました。
パレオさんは断酒されたそうですが、お酒と一緒に水を飲むと二日酔いにならないという説についてどう思われますか? アルコールの分解には水が必要なので、水を飲んだほうが酔いにくくなるというのですが。
とのこと。確かに、酒と水は交互に飲もう!ってアドバイスはよく聞くところです。
この問題については「水を飲む目的」によって答えが変わってきまして、
- 酒の量を減らすために水を飲むならOK!
- アルコールの代謝を進めようとして水を飲むのはムダ!
って感じになります。いくら水を増やしても、酒が一定量を超えちゃったら二日酔いの予防にはならないんですな。
現実的な二日酔い対策としては意味がない
ここで参考になるのが、2015年にユトレヒト大学から出た論文(1)であります。このなかで研究チームは、789人の学生を集めて、いつものアルコール量と二日酔いの主観的なヒドさをリサーチ。そのうえで、酒と水を交互に飲むグループの症状と比べたんですね。
そこで出た結論というのが、
- 「俺って二日酔いをしないんだよねー」と言っていた学生は、単純に他の学生より酒を飲む量が少ないだけだった
- 血中のアルコール濃度が0.2%を超えるまで飲んじゃうと、二日酔いから逃れられる人はいなくなる
- 酒と水を交互に飲むと、統計的に有意なレベルで気分は改善する。ただし、この改善値は現実的には意味がない
って感じ。確かに水を飲めば気分は良くなるんだけど、それはあくまで統計的に微妙な差が出たってだけの話。現実的な二日酔い対策としては意味が無いんだそうな。
そもそも二日酔いの原因がハッキリとはわかっていない
研究者いわく、
酒と一緒に水を飲めば、ノドの渇きやドライマウスには効果があるだろう。しかし、それだけで頭痛や吐き気といったツラさは解決できない。
とのこと。水分が解決するのは、あくまで脱水症状だけなんだ、と。わかりやすい結論ですね。
さらに重要なポイントとしては、
二日酔いを引き起こすのは水分不足だけではない。これまでの研究によれば、免疫システムも大きく関わっている。そもそも二日酔いの原因がわかっていないのに、効果的な対策が見つかるはずもない。
みたいな感じ。まだ科学的に二日酔いの原因はハッキリしてないんだから、的確な予防策は見つかるはずもないんだ、と。そりゃそうですよね。
もちろん今後はランダム化比較試験が必要だが、今回の研究からもハッキリわかる対策がある。酒を減らせ、ということだ。
ってことで、最初に書いたポイントにもどるわけであります。つまり、アルコール摂取量を減らすために水を飲むべし!ってことですね。このへんは「パレオダイエットの教科書」にも軽く書いてますので、あわせてご参照いただければと思います。