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ハチミツが生理痛や頭痛に効く?しかも鎮痛剤と同じレベルで?という話

Honeybee

 ハチミツの痛み止め効果が凄い?
こないだハチミツは抗酸化作用が凄いよーって話を書いたら、新たに「ハチミツで痛みがやわらぐかも!」って論文(1)が出てておもしろかったです。


これはイラン・アラーク大学の研究で、激しい生理痛に悩む46人の女性を対象にしたもの。 まずは全員を2つのグループにわけたんですね。

  1. 大さじ1杯のハチミツを毎日飲む
  2. 500mgメフェナム酸を毎日飲む

メフェナム酸はNSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)の一種で、生理痛のほかにも、頭痛や歯痛などにも処方される定番のおクスリ。なかなかの鎮痛作用を持っていて、解熱や抗炎症にも使われてたりします。


ハチミツと鎮痛剤の効果が同じレベルだった
実験期間は2カ月で、どちらのグループとも生理痛の時期にあわせて飲んでもらった模様。そのうえで、みんなに自分の痛みを採点してもらったところ、

  • ハチミツと鎮痛剤の効果は同じぐらい!

って結果だったんですな。うーん、すごいもんですな。


ハチミツは鎮痛剤と同じメカニズムで痛みに作用する
なぜハチミツが痛みに効くかと言うと、プロスタグランジン(PG)っていう痛みの原因になる物質の生成を減らす働きがあるから。PGは体内の炎症によって作られる物質で、痛みを増加させたり、発熱を起こさせる働きを持っております。


これが生理痛が起きる大きな原因にもなっていて、メフェナム酸が効くのもPGに働きかけるから。つまり、ハチミツは鎮痛剤とまったく同じ作用を持ってるわけですな。そりゃあ痛みにも効くはずです。


2週間前から飲んでおくと痛みの予防になる
研究者いわく、

生理が始まる2週間前にハチミツを飲んでおけば、痛みを引き起こす物質の蓄積を予防することができる。その結果、生理が始まったあとも、必要以上に痛みが増さずにすむだろう。

とのこと。あらかじめハチミツを飲んでおくことで痛みの予防になるんだ、と。


もちろん、まだサンプル数が少ないので「ハチミツで痛みが減る!」とは言いづらいものの、あまりに生理痛がキツい人には試す価値がある話かと思われます。なんせ一般的な鎮痛剤は副作用が大きくて、胃腸や腎臓へのダメージがありますからねぇ。それに比べれば、副作用がゼロに近いハチミツは素晴らしい代用品ではないかと。


1日大さじ一杯から試すのがよさげ
また、PGは体内の炎症に応じて出る物質なので、おそらくは生理痛のほかにも効くはず。実際、メフェナム酸は頭痛や歯痛をやわらげる働きもありますんで、炎症から来る謎の痛みにお悩みの方は、やはり1日大さじ一杯から試してみればよいかと思います。


炎症に効きやすいハチミツの選び方は前に書いたので、そちらを参照ください。また、iHerbとかで買う場合は、生理活性物質の効果を確認している「マヌカドクター」などが定番でよろしいです。参考あれ。



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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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