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パレオさんに聞いてみよう#11:速聴の効果、腰痛と学習性無力感、メニューの考え方…etc

Qanda

 

細かなご質問にまとめてお答えしていくシリーズの11回目です。今回は6つほどサックリとお答えしております。

 

速聴の効果とか

昔から速聴プログラムで、脳を活性化させるとかってありますが、実際に効果はあるのでしょうか?FeBeを4倍速で加速して聴き続けた場合の効果が知りたいので、もし速聴に関する研究等ありましたら、ブログで解説をお願いします。

聴いた直後の、紙の本の読むスピードが体感で上がってる気がするので、効果ありそうな気はしますが…。

 

いまんとこ、「速聴」については「脳の機能があがった!」みたいな研究はないです。代わりにどんな研究が主流なのかと言うと、「人間はどれぐらいのスピードの文章まで聞き取れるのか?」って問題について調べたものがメインですねー。

 

 

具体的には、「まぁだいたい普通のスピードの2倍ぐらいまでなら理解力を落とさずに聞けるんじゃない?」って話があったり(1)、目が不自由な方は8倍のスピードまで聞き取れるなんてデータ(2)が出てたりとか。いろいろ見てると、「もしかしたら人間って凄い速度まで聞き取れる能力を持ってるんじゃないの?」と思わせてくれるんですな。ちなみに、「8倍速」の実験で使われたデータはこちらから聞くことができますので、興味がある方はどうぞ。

 

 

ってことで、現時点では速聴で特別な効果があるのかは不明。ただし倍速までは理解力を落とさずに聞けるので、時短術として使うぶんには大いにアリって感じではないでしょうかー。

 

 

筋トレ+有酸素運動とか

パレオの教科書に載っていたような筋トレメニュー(約40分)を行っているのですが、先日の記事で筋トレと有酸素をわけた方が良いとなっていたので、HIITは別日にやるべきか、アドバイスを頂きたいです!

 

この問題って意外と難しくて、「筋トレ+有酸素で筋肉が減った!」ってデータもあれば、「筋トレ+有酸素でも筋肉の発達には影響がない!」ってデータのどっちもあるんですよ。ただ、全体的に見てますと、

 

  • HIITぐらいハードな運動だと筋肉には悪影響が出そう
  • そこそこの有酸素運動(最大心拍数の60−80%ぐらい)なら問題はなさそう(もしかしたら逆に筋肉にはいいのかも)

 

って傾向はありそう。なので、いまのところはHIITは別日にしたほうがよさそうではあります。まぁ筋トレとHIITを一緒にやるとオーバーワークの危険もありますんで、そこはご自分の体と相談なさってください。

 

 

腰痛と学習性無力感とか

腰痛の原因とかに興味がありまして 腰痛になってから長いこと我慢しちゃう人とか多くいるなと思ったのですが、そういった人を追跡した研究とかってありますか?

 

腰痛は難しいですよねー。腰痛をガマンしちゃう人に焦点を当てた研究はないんですけど、確かに、肩や腰の痛みって「どうにもならないな……」って気分のまま過ごす人が多い印象ではあります。「学習性無力感」とでも言いますか。

 

 

というのも、腰痛っておもにメンタルの問題なんで、「なにを試しても効かない!」って状態になりがちなんですよね。そこらへんは、以下のエントリにまとめてありますんでご参照ください。

 

 

 

メニューの考え方とか

食事計画の参考に記事を読んでいたのですが、一日にどれくらいの栄養を摂ればいいか考えていて分からないところがあります。 鈴木さんがどのように毎日のメニューを考えているのか参考にしたいです。

 

例えばたんぱく質についての記事を読んで、一日当たりの摂取量は体重×1gが分かりやすくていいよとみたので、色々考えて→「卵一個だとMサイズ1個40gあたりタンパク質が12.3g」とか調べてたんですが、途中で大変になってきました。 鈴木さんの場合、そういう計算を肉や魚込みで計算していくのでしょうか?

 

私の場合は、いまは「体重(kg)×1.6g」で1日のタンパク質量を設定しています。×1gでも悪くはないんですが、近ごろは×1.6gがトレンドなので。

 

 

いま私の体重は60kgなんで、1日のタンパク質量はだいたい96gぐらいです。個人的にはこの基準さえ超えればOKと考えてまして、あとの脂質や炭水化物の配分は特に気にしてません。

 

 

タンパク質の計算ですが、超ざっくりです。卵だったら1個10gぐらいでカウントしますし、鶏胸肉だったら握りこぶし1個分で20gぐらいかなーぐらいのざっくり感。もちろん魚も込みで計算してますが、野菜のタンパク質までは特にカウントしてません。あんまり複雑だとわけがわからなくなりますからねぇ。

 

 

というと過剰摂取は大丈夫?みたいな疑問もあるかもですが、「タンパク質は摂りすぎても問題ないよー」ってのが結論ですんで、そこらへんは特に心配しておりません。とにかく、ざっくりと1日の必要量を超すことを目的に食事量を組み立てております。

 

 
蒸し器とかレンジのAGEsとか

鈴木さんは低温調理機を使っていますが、蒸し器やせいろとかは低温調理のうちに入りますか? 候補として調理しやすそうなレンジも良いなとその点について調べたんですが、レンジだとAGEが茹でるよりも多くなるとか言われてたり、かと思えば10分以上だとAGEが上がるという記述も見て、迷っています。

 

蒸し器やせいろは意外と高温なので、低温調理には入らないかもですねー。といっても揚げ物や炒め物よりは格段にAGEsの生成量は減りますんで、普通にフライパンを使うよりは間違いなく良いチョイスだと思います。

 

 

レンジのAGEsの関係ですけど、2013年のレビュー(4)が参考になるかと思います。ざっくり言いますと、

 

  • 茹でるよりはレンジのほうがAGEsは増える(ざっくり5倍ぐらい)
  • レンジよりはフライパン調理のほうがAGEsは増える(ざっくり3.7倍ぐらい)

 

って感じになってまして、低温調理機を使わないなら「茹でる」のが最高じゃないでしょうか。

 

 

幸福の追いかけ方とか

ハーバード研究者「幸福なんか目指すより他にやることがあるだろう!」 http://yuchrszk.blogspot.jp/2018/03/blog-post_73.html の記事を読んで気になったところがあったので質問させていただきます。 この記事では幸福などを追い求めることをやめようとありますが 仕事や遊び、娯楽、人助けなどのことに価値を見いだして幸福を感じる分には問題ないのでしょうか?

 

もちろん問題ないです!ここで大事なのは「幸福そのものをゴールにするな!」ってことでして、別の大きなゴール(人助けや遊び)を追求した結果として幸せになるのは素晴らしい話ですんで。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。