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今週の小ネタ:鬱病と嗅覚、思い込みと意志力、科学者とルックス、楽観主義と心臓


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

1 メンタルを止むと嗅覚が衰えるぞ!
これはハインリッヒ・ハイネ大学の論文(1)で、「なんで鬱になると体重が減るの?」って問題について取り組んだもの。もちろんメンタルの低下で太るケースもあるんだけど、たいていの場合はメンタルを病むとやせ細っていきがちなんですな。


で、この論文は過去に出た「鬱病と体重」に関する文献をレビューしてまして、ありそうな仮説を導き出しております。本文を引用すると、

このサーベイにより、鬱状態によって感情の起伏が減ることで、嗅覚の喜びの体験も減ることがわかった。

って感じ。まだメカニズムはハッキリしてないものの、どうもメンタルを病むとうまく匂いを嗅げなくなっちゃうらしい。さらには、

鬱病の患者だけではなく、健康体の人がネガティブな気分になった場合でも、やはり嗅覚は衰えてしまう。

だそうで、どんな人でも、ちょっと悲しい気分になっただけでも、同じように匂いを嗅ぐ能力は低下しちゃうらしい。つまり、鬱病の人が痩せがちなのは、食事の香りが楽しめなくなったせいで食欲が減るからではないのか、と。


ちなみに、メンタルがへこんだ人は香水をつけすぎる傾向もあるんですが、これも嗅覚の衰えが原因かもしれないとのこと。なるほどねぇ。


2 思い込みで意志力は変わるぞ!
ここ数年、「ヒトの意志力って実は使っても減らないんじゃない?」って話が出てきてて、それどころか「意志力を使うほど意志力がアップする」なんて現象まで確認されてたりするわけです。


そんな状況下、またしても「実意志力は減らない!」派に有利なデータ(2)が出てたりしました。これは1600人のヨーロッパ人と1,100人のアメリカ人をくらべた比較文化研究で、

  1. 全員の性格や考え方、収入、教育レベルなどををチェック
  2. その後でみんなに意志力テストをする

みたいな流れで、意志力が衰えやすい人と衰えにくい人はどう違うのかを調べてくれております。結論を引用すると、

もっとも重要なのは、私たちが意志力についてどのような見解を持っているか?だった。もしあなたが「意志力の量には限界がある」と思えば、本当に意志力は使うほど疲れていき、回復させるには休息が必要となる。まさに筋肉と同じだ。

しかし、あなたが「意志力は無限だ」と信じていれば、代わりにエネルギーがアップする。

だそうです。なんでも、全体的にはアメリカよりもヨーロッパのようが「意志力は無限だ」と思う文化があるらしく、その場合は、難しいタスクにチャレンジすればするほど逆にエネルギッシュになったそうな。以前に紹介した「リバース・エゴ・ディプリーション」がまた確認されたわけっすね。やっぱ意志力の消耗って思い込みなのかねぇ。


3 科学者はブサイクなほうが有利だ!

美男美女は有利!成績はいいし収入もいいし幸福度も高いし!ってのが科学の結論ですけども、実は科学者に関してはブサイクなほうが信頼されやすい!って論文(3)が出てたりしました。


これはこれはエセックス大学の研究で、実在の科学者1000人の顔写真を3700人の被験者に見せて「どれぐらい有能な研究者だと思いますか?」とレーティングしてもらったらしい。すると、

  • 「ルックスが悪い」や「コミュニケーションが下手そう」と評価された科学者ほど「研究者として有能っぽい」や「倫理を守りそう」と評価された!
  • ただし、ルックスが良い科学者のほうが「研究してる内容を知りたい」と評価された

って傾向が出たんですな。うーん、これはちょっと意外。基本的には、美男美女のほうがハロー効果のおかげで「頭が良さそう」と思われがちなはずなんですが、科学者には当てはまらないみたいっすね。映画のマッドサイエンティストとか天才にはエキセントリックな人が多いんで、そこらへんのバイアスがあるんでしょうかねぇ。


4 楽観主義は心臓を守る!
昔から楽観的な人は心臓病にかかりにくい!って話があるんですが、そこらへんを補強する論文(4)も出ておりました。これは約4,900人を対象にした観察研究で、

  • LOT-Rってテストでみんなの楽観主義を計測(「リラックスするのは簡単だ」とか「だいたい悪いことより良いことが起きると想像する」みたいな質門に答えてもらう)
  • 心疾患のリスクファクターとくらべる(血圧とか血糖値とかコレステロール値とか)

みたいな感じ。それで何がわかったかといいますと、

  • LOT-Rの点数が1ポイント上がるごとに「理想的な心臓や血管の状態」に3%ずつ近づいていく

だったそうな。そこまで劇的な上がり幅ではないものの、とりあえずどんな人にもこの傾向は確認されたらしい。もちろん観察研究なので因果関係はわからんのですが、とにかく以前から一貫して報告されている話なので、やっぱ楽観主義は長生きに必要なんでしょうなぁ。




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42才のプロパレオダイエッター/編集者/ライター/NASM®公認パーソナルトレーナー。国内外の学術論文を読み漁るのが好きな人。「最高の体調」と「パレオダイエットの教科書」って本が発売中です。