ビタミンCが運動の酸化ダメージに効く!筋肉痛も治る!はどこまで本当なのか問題
定番のサプリといえばビタミンC。個人的には特に推奨してないんですが、ビタミンCの抗酸化作用が高いのは誰もが認めるところでしょう。
ならば、「ビタミンCが筋トレや有酸素運動にともなう炎症や筋肉痛を減らしてくれるのでは?」って考え方が生まれるのは自然なことで、「スポーツのあとはビタミンCを取ろう!」といった主張を見かけることもあるわけです。
では、本当にビタミンCは運動のダメージをやわらげる作用があるのか?ってことで、この問題をガッツリ調べたメタ分析(R)が出ておりました。
これは18件のRCTをまとめた研究で、参加者は313人で年齢の中央値は24歳。そのうちアスリートは13%で、残りは健康的な男女が参加しておられます。その他のデータの内訳を申し上げますと、
- ビタミンCの投与量は、1日400ミリグラムから3グラムまでの範囲(全て傾向摂取)
- ランニングやサイクリングの後でビタミンCを飲むパターンが多め
- 実験期間は12件の研究は1週間以上で、最長は28日間だった
- 酸化ストレスの指標として脂質過酸化が使われ、炎症性マーカーにはインターロイキン6とCRPを採用。筋損傷はクレアチンキナーゼのレベルで評価
みたいになってます。分析には定番のガイドラインを使ってますし、PROSPEROに登録されてるしで、なかなか良い内容じゃないでしょうか。
それでは、分析の結果をざっと見てみましょうー。
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運動後(最大2時間)の脂質過酸化の減少は統計的には有意だったが、その効果量はかなり小さい。さらに、それ以上の時間では目立ったメリットは認められなかった
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サブグループ分析だと、ビタミンCの投与量が500mg以上の場合と、運動強度が高い場合に限り、脂質過酸化への効果が有意だった(でもやっぱり効果はかなり小さい)
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運動直後の2時間だけ体内の炎症レベル(IL-6)をちょっとだけ低下させた。CRPや筋損傷、筋肉の痛み、筋力には変化がなかった
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全体的に、ほとんどの研究でバイアスのリスクがありそうだが、よくわからない。エビデンスの質は中程度(GRADEを使用)
ということで、個人的な感想としては「ビタミンCは思ったより効果がないんだなー」ってとこですね。運動直後なら多少の違いは見られるものの、ほとんどの変数には影響してないですからねぇ。
まぁ考えてみれば納得の話で、ビタミンCは摂取からだいたい30〜40分ぐらいでピークになるんで、その効果が短くなっちゃうのは当然なんですよね。よしんば効果があったとしても、これだとあまり飲むメリットはないかなーってのが正直なところです。
そんなわけで、現時点では、運動のダメージ回復のためにビタミンCを使うのは意味がなさげ。それでも使いたい場合は、運動の30〜40分前ぐらいに500mgをガッと飲むぐらいが良さそうっすね。