「朝食抜きはダイエットと健康にアリかナシか?」を調べたメタ分析のお話
https://yuchrszk.blogspot.com/2020/07/blog-post_94.html
「朝食抜きはダイエットにアリかナシか?」ってのは昔からあるテーマ。これはいまだに賛成派と否定派がおりまして、
- 賛成派:朝食を食べることで食欲がおさまり、1日の総摂取カロリーは下がるのだ!故に、朝食を抜くと逆に太るのである!
- 反対派:なんでダイエット中なのに、わざわざ食事の回数を増やす必要があるんだ! 普通に1食抜いたぶんだけカロリーは減るだろう!
みたいにざっくりわかれてたりします。なんだかどっちも説得力があるわけですが、果たして正解はどっちなのか?ってことで、「朝食抜きはアリかナシか」をガッツリと調べたメタ分析(R)が出ておりました。
これは、「朝食抜き」について調べた過去の研究から 7 つの対照研究をピックアップしたもので、
- 合計435人の成人の参加者が対象
- 朝食を抜くと体型の悪化や病気のリスクは上がるか?をチェック
- 少なくとも4週間以上の試験だけを選んでおり、そのうち5つの試験は肥満または過体重の参加者を対象に実施。残る2つの試験は正常体重の人が対象
みたいになってます。全体的に見れば各データの質は並といったところで、そこそこ信頼がおける内容になってるのではないかと。
でもって、結果をまとめるとこんな感じです。
- 朝食を抜く人たちは、朝食を食べる人たちと比べて、体重の減少が大きかった(540g)
- どちらのグループもBMIや体脂肪の量に有意差はなかった
- LDLコレステロールのみ朝食を抜く人たちのほうが有意に増加したが、血圧、HDLコレステロール、インスリン、空腹時血糖値、体内の炎症、中性脂肪、食欲系のホルモン(レプチンとかグレリンとか)などの数字には差が見られなかった
というわけで、朝食を抜くと体重の減少についてはやや有利ながら、LDLコレステロールについては少し不利みたいっすね。
といっても、体重にせよコレステロールにせよかなり微妙な違いなんで、現実的には「朝食を抜こうが抜くまいが健康に影響はない」ぐらいに落ち着きそうな印象ではあります。
事実、研究チームも「朝食を抜いても食べても、体重減少に臨床的に意味のある違いはないが、朝食の質は考慮すべきだろう」と結論づけてたりしますからね。ここは大事なポイントですな。
つまり、以上の話をまとめると、
- 体重の減少と心疾患リスクについては、朝食を食べているかどうかは重要ではないっぽい
- 朝食を食べる場合は、脂肪分の少ない肉、野菜、果物などの質が高い食事を心がける(個人的には高タンパク&高食物繊維を推奨)
みたいになりましょうか。とにかく現時点では、朝食の有無にはこだわらなくても良さげ!と考えとけばいいでしょうねー。