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成功者を育てる訓練こと「社会性・感情学習(SEL)」で使われるトレーニング法ざっくりまとめ

  

こないだ書いた「いじめ対策のベストはなんなの?」って話を書いて、そこで「社会性・感情学習(SEL)が良い!」みたいな説を紹介しました。

 


これは対人関係のスキルを学ぶトレーニングの総称で、アメリカなどでは、情操教育だけでなく「成功者を育てる訓練」のような意味合いでも使われてるんだそうな。かなり実証研究も豊富ですし、個人的にも子供のころに学びたかったなーとか思ったりするわけです。

 

 

それでは、具体的に「SELでは何をやるのかなー」ってことで、ちょこちょことロヨラ大学の先生などが書いた本(R)を見てたら、おおよそ以下のようなカリキュラムを組むことが多いらしい。

 

 

1. マインドフルネス

このブログでもおなじみなマインドフルネスは、SELでもメインの手法としてよく使われるらしい。具体的な方法としては、以下のようなものを使うとのこと。

 

  • ビジュアライゼーション:いま感じているストレスを具体的な物体として想像し、自分のなかでどのように感じられるかを確認したら、それを解放するようにうながすやり方。イメージ療法に近いですね。

 

  • ノイズ瞑想:教室のなかでじっと耳をすまし、廊下を歩く生徒の音や屋外の工事の音、空調の音など、さまざまな音声から1つをピックアップ。そのノイズがどのような感覚を呼び起こしているかを味わっていく。こちらは瞑想としては定番のやり方ですな。

 

 

2. 感情の名付け

いま自分のなかにわき上がっている感情について、「これは軽い退屈だ」とか「いまは楽しさと緊張が半々ぐらいだ」のように、声に出して説明してもらう手法。この作業を行うと、自分や他の学生がどのように感じているかの理解が進み、コミュニケーションスキルが上がるとのこと。

 

 

このブログでも過去に「ラベリング」っていうストレス解消法を説明しましたけど、それとほぼ同じ考え方ですね。

 

 

3.ストレスの外在化

ストレスを紙に書き出したら、ビリビリに破いて捨てる手法。自分の期待や不安などを紙に書き出してもらったら、破り捨てるように指示するんだそうな。

 

 

こちらの手法は、授業がスタートする前に行うことで、生徒が自分のストレスを把握させて学習の障壁を克服させる効果があるとのこと。こちらは、このブログで2014年に紹介した手法と同じ感じっすな。

 

 

4.名言シェア

生徒が好きな名言やクラスで共有した経験に関連する名言を、みんなでシェアし合う手法。クラス全体で話し合いをしたり、各生徒にその名言への返答を一言ずつ書いてもらったりするそうな。確かにこの授業は楽しそう……。

 

 

5.由来ディスカッション

生徒から赤ちゃん時代の写真を集めたら、授業の最初に1枚の写真を全員に見せて、それがどの生徒の写真家を推測するように指示。その赤ちゃんがどのような幼少期を過ごしたかを想像して話し合ってもらう。これもなんか面白そうっすね。

 

 

6.ポジティブ張り紙

各生徒の背中にA4の紙を貼ったままクラスを歩き回ってもらい、他の生徒たちは、その紙に仲間のポジティブな特徴を書きこんでもらう。大昔は「バカ」と書いた紙をこっそり背中に貼り付けるイタズラがありましたけど、あれの逆バージョンですな。

 

 

7.見知らぬ対話

クラス内の知らない生徒とペアになってもらい、お互いに5つの質問をさせる。話し合いが終わったら、残りの生徒たちに「いま話をした生徒はこんな人です」と紹介する。

 

 

というわけで、SELで使われてる手法をいくつかメモってみました。もちろんこれ以外にもいろんな手法があるんですが、すべて取り上げてると膨大になるんで今回はこのあたりで。

 

 

にしても、マインドフルネスのような定番から、「ポジティブ張り紙」みたいにユニークな手法まで、これらを子供時代にやっとけば確かにメンタル・スキルは開発されるのかもしれんですな。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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