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ビタミンCにできること、できないこと

Orange

 

本業の関係で、ビタミンCについて改めて調べたりしておりました。当ブログでも過去にちょこちょこ取り上げてる成分ですが、意外とまとまった話を書いたことがなかったんで、現時点でのビタミンCの実力をまとめとこうかと思います。

 

 

ビタミンCは風邪に効くのか問題

ビタミンCは風邪に効く!とよく言われますが、この問題についての結論は以前に書いたことと変わらず。ざっくりまとめると、

 

  • 一般人がビタミンCをいくら飲んでも風邪は予防できない
  • ただし、いったん風邪を引いたあとに治りを良くする可能性はあるかも
  • 普段から肉体を酷使するアスリートであれば、ビタミンCは風邪の予防になり得る

 

 みたいな感じです。また、ネットなんかでは「もっと大量にを飲まなきゃダメだ!(1日5〜10gぐらい)」って意見も見かけましたが、この主張を支持する証拠はなし。もうちょい様子見ってことで。

  



 

ビタミンCは癌に効くのか問題

数年前に「ビタミンCの大量摂取が癌に効く!」みたいな話が出ましてね。ビタミンCを大量に飲むと、癌は治り、インフルエンザにかからず、体も老化しなくなるのだ!みたいな本がたくさん出たことがありました。いかにも怪しいですねぇ。

 

 

ってことで、その後の話を調べてたら2014年にビタミンC点滴療法の系統的レビュー(1)が出ておりました。過去の研究897件から割とまともな39件を選んだもので、ビタミンCの量は1回1g〜200gまでさまざま。その結論をざっくり言えば、

 

  • とりあえずビタミンC点滴は他の癌治療のジャマにはならない
  • 1件だけ「ビタミンC点滴で腫瘍が小さくなった!」って報告があるが、実験デザインはかなりゆるい
  • ただしビタミンC点滴で患者の「人生の質」や化学療法の副作用が減る可能性はある

 

みたいな感じです。現時点では、とても「ビタミンCは癌に効く!」とは言えない状況じゃないでしょうか。いちおう安全性はかなり高そうだし、「人生の質」についても良い成績は出てるので、あとはコストとの兼ね合いですかねぇ。

 

 

ビタミンCはアンチエイジングに効くのか問題

なにをもって「アンチエイジングに効く」とするかは難しいですけど、ここでは主に体内の炎症と酸化ストレスにしぼります。慢性炎症と老化の問題については、「体内に火事を起こして、あらゆる不調を引き起こす慢性炎症の話」をどーぞ。

 

 

で、ビタミンCが老化予防に効くと言われるのは、抗酸化作用を持っているから。活性酸素を取り除く働きが強いので、老化にもいいんじゃない?と思われてるわけですね。

 

 

ただし、ざっと今までの研究を見てると、「よくわからんなぁ」みたいな結論になりそう。たとえば、

 

  • 16人の男性を対象に、運動後の参加者に1gのビタミンCを飲んでもらったものの特に変化なし。ただしストレスホルモンが減った可能性はある(2008年,2)
  • 14人を対象に、ランニングの後に200mgのビタミンCを飲んでもらったものの炎症マーカーに変化なし。(2004年,3)
  • 396人の健康な男女に、1日1gのビタミンCを2カ月飲んでもらったらCRP(炎症のサイン)が減少した。(2009年,4)
  • 941人の男女に、1日125mgのビタミンCを12週間ほど飲んでもらったものの特に変化はなかった(ただしこの実験はケルセチンと併用している)。(2011年,5)

 

って感じで結果がバラバラなんすよね。まぁ「変化があった!」という実験でも、さほどの効果が出てるわけでもないんで、わざわざサプリを飲むべきかというと微妙ですが。

 

 

ビタミンCは血行はよくなるのか問題

実はビタミンCには「血行がよくなる」って噂もあったりします。この問題については意外と信じてよさそうでして、

 

  • 血流が悪い19人にビタミンCを飲んでもらった、24時間でやや血の巡りが改善した(2011年,6)
  • 肥満で血圧が高い21人の子供に500mgのビタミンCを飲んでもらったら、半年で有意に血の巡りが改善した(2011年,7)
  • タバコを吸う男女19人に2gのビタミンCを飲んでもらったら、24時間でで有意に血の巡りが改善した(2003年,8)

 

 といったあたりは割と実験デザインもいい感じ。ただし、もともと血行が悪い対象者しか調べてないので、それ以外の人でもメリットがあるかは不明。また、たいていの抗酸化物質には似たような働きがあるんで、わざわざビタミンCを買うだけの理由にはならないかも。

 

 

ビタミンCはストレスに効くのか問題

実はビタミンCには、メンタルのバランスを整えるって噂もあったりするんですね。その理由としてよくあげられるのが2011年の実験(6)で、55人の患者さんに1日1gのビタミンCを飲んでもらったら、ガッツリとメンタルが改善したんだそうな。

 

 

ただし、この実験はあくまで「かなり重度の患者さん」を対象にしてまして、そのうち半分がもともとビタミンC不足だったとか。正直、これだけでビタミンCがメンタルに効くかと言われると微妙であります。

 

 

また、上で取り上げた「炎症系」の実験は、同時にストレスホルモン(コルチゾール)の増減についても調べてるんですが、どの実験でも「コルチゾールが減った!」って結果は出ておりません。とりあえずストレスホルモン対策にはならなそうな気がしますね。

 

 

その他、効果がなさそうなもの

ここからは、実験数が少なくて断言できないものの、特に効果が認められなかったものを箇条書きで。

 

▼減量の効果

  • 941人の男女に、1日125mgのビタミンCを12週間ほど飲んでもらったものの体脂肪に変化はなかった。(2011年,7)

▼コレステロールの低下

  • 439人の男女に、1日50〜100mgのビタミンCを5年にわたって飲んでもらったもののコレステロールに変化はなかった。(2004年,8)

▼心肺機能の上昇

  • 15人の男女に1日1gのビタミンCを飲みつつランニングを続けてもらったが、特に心肺機能に変化はなかった。(2011年,9)

 

 

 結局、ビタミンCは使うべきか

ってことでいろいろ見てきましたが、普段の食事でちゃんと野菜とフルーツを食べてれば、わざわざビタミンCを飲む意味はない感じ(アレルギー対策に試すのはアリかも)。喫煙者や肥満の人ならメリットが得られそうですが、その前に禁煙とダイエットをしたほうがご利益は大きいでしょうね(笑)

 

 

ただし、ここでは経口摂取に限った話しかしてないので、肌に塗るビタミンC誘導体についてはまた別の話。また、ビタミンCには亜鉛や鉄分の吸収を助ける働きがあるので、これらのミネラル不足を補う際に併用するのが良いかもです。

 


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41才のプロパレオダイエッター/編集者/ライター/NASM®公認パーソナルトレーナー。国内外の学術論文を読み漁るのが好きな人。パレオダイエットの本を書きました(http://amzn.to/2ogEBmC)。