糖質オフダイエットとパレオダイエットって同じものなの? 2017年版
糖質オフとパレオダイエットって同じもの?
ネットのパレオダイエット記事に関するご質問をいただきました。
糖質オフダイエットを批判する記事がありました。
糖質オフダイエットは本当にカラダにいいのか?推進派VS反対派の果てしなき論争
これを読むとパレオダイエットと糖質オフが一緒になっているのですが、パレオな男さんを読むと、糖質オフには否定的だったと思います。これはどう考えればいいんでしょうか?
とのこと。確かにネットニュースが「パレオダイエット」を取り上げると、いまだに糖質制限に似たものとして語られるケースが多いですねー。
で、この記事でネタ元になっている『私たちは今でも進化しているか』については、2015年に簡単な感想を書いてますので、まずはこちらをご参照ください。これを読めば、だいたいのことはご理解いただけるのではないかと。
ただし、良い機会ですんで、ここでは糖質オフダイエットとパレオダイエットの差について簡単にまとめてみようと思います。実は以前にも似たような話を書いたんですけど、大事なポイントなんでくり返しときます。
糖質オフとパレオダイエットのこだわりポイントの違い
では、まず糖質オフとパレオにおける「こだわりポイント」の違いを見てみましょう。
糖質オフダイエット | パレオダイエット | |
糖質の量 | できるだけ下げる | 特に決まりなし(ただし自然に総摂取カロリーの20〜40%ぐらいに落ち着く傾向がある) |
最終目標 | 減量 (ただしケトジェニックダイエットなどは健康効果を期待してることもある) | 体の最適化 (あくまで減量はオマケ) |
イモ類OK? | とんでもない! | OK。特にサツマイモ最強 |
白米OK? | できるだけ減らす | 良くも悪くもないニュートラル食品。積極的には勧めない |
加工食品OK? | 糖質が少なければOK | とんでもない! |
油は何でもOK? | 基本OK(ただし糖質制限ファンには健康オタが多いので、オメガ6を避けるケースも) | 精製油は激しくNG |
フルーツOK? | 糖質さえ少なければOK | 基本OK。でも食べ過ぎには注意してね |
乳製品OK? | 全乳で乳糖が少なければOK | 人による。乳糖に強い体質ならどうぞ |
酒OK? | 糖質が少ない蒸留酒ならOK | 基本NG。たまに赤ワインを飲むぐらいなら |
みたいな感じ。なにせダイエットの理論も最終目標も異なるので、おのずといろんな違いが出てくるわけであります。
糖質オフとパレオダイエットが混同される理由
そもそも「糖質制限≒パレオダイエット」みたいに思われるようになったのは、2000年代の初期に行われた狩猟採集民の研究(1)がきっかけかなぁ、と。ここで多くの狩猟採集民の糖質摂取量を割り出したところ、先進国よりはるかに低い数値が出たんですね。
こういったデータがもとになって、
- 狩猟採集民は低糖質ダイエットをしている!
- ゆえにパレオダイエッターも糖質をひかえるべき!
- つまりパレオダイエットは糖質オフダイエットだ!
って風潮が広まった感じであります。ただし、この考え方には初期のころから異論が多くて、
といった批判が続出。そのおかげで、2005〜6年ぐらいには狩猟採集民の平均値だけを見ても意味がないってコンセンサスができあがった印象ですかね。
3大栄養素よりも食事の質が大事
そんなわけで近年では、
- 健康に暮らすのが目的なら3大栄養素のバランスよりも質が高い食事のほうが大事!(もちろんバキバキの体を作りたいときは別ですが)
ってのが落としどころになっております。糖質の量を気にするまえに、食事の質を高める努力をしていくのがパレオダイエットの要所。
もっとも、どの世界にも過激派はいるもので、いまだに「パレオダイエットは肉食ダイエット!肉をメインにすればカロリーなんて気にするな!」って考え方も生き残ってはおります(さすがに見なくなってきましたが)。この一派が糖質オフの世界と混ざり合って、よくわかんないことになってる感じでしょうか。
にしても、2年前は「日本じゃパレオダイエットは流行んないすよ。わかりにくいですもん」とか言われたもんですけど、DIMEさんが取り上げてくれるようになったとはビックリ。少しは時勢が変わってきたんすかねぇ。