今週半ばの小ネタ:肝斑対策、高齢者の脳が改善、広い部屋で話す効果
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
ハーブクリームが肝斑に効くかも?
対策が難しいお肌のトラブルといえば肝斑。普通のシミとは性質が違うもんで、いまのとこはトラネキサム酸やハイドロキノンが使われるケースが多い感じですが、女性ホルモンの問題の他にも、炎症や皮膚バリアのダメージなどいろんな原因が言われてまして、いまいち決定だがないんですよね。
そんな現状の中、「ハーブクリームが肝斑に効くかも?」って内容のデータ(R)が報告されておりました。
これは12週間のランダム化比較試験では、肝斑に悩む90人の患者さんを3つのグループに分けてます。
- プラセボクリーム
- アルブチンクリーム(有名な美白成分)
- ハーブクリーム(チャノキ1%、スベリヒユ1%、サンシチニンジン0.5%、プリンセピアウチリス種子オイル0.5%)
このいずれかのクリームを1日2回ずつ顔に塗り、屋外では日焼け止めを使って過ごしたもらったそうな。すると、結果には有意な違いが出まして、
- ハーブクリープを使ったグループは、肝斑、メラニン、紅斑の量が最も減少し、主観的な満足度も高くなった
- プラセボとアルブチンを比べた場合は、アルブチンのほうが肝斑が多く減少した
ってな感じだったそうな。ちょっと希望がある結果ですね。
ただし、この研究では、チームがどうやってサンプルサイズを決めたかが書いてないので、もしかしたら今回の結果はただの偶然でしかない可能性もかなりあったりはします。その点でまだまだ実用的な話でもないんですが、「ハーブが効く可能性はあるのかも?」ぐらいに思っておくといいかもしれません。
ゲームと外国語で高齢者の脳が改善する?
昔から「ゲームと外国語をやると脳にいいよー」みたいな話はあって、「未知の言語を学ぶと注意力が上がるかも?」なんてデータを取り上げたことがありました。
でもって新しい調査(R)も似たようなテーマで、まず結論から言っちゃうと、
- 高齢者が外国語を学ぶかゲームで遊ぶと脳機能が改善する!
みたいになります。ゲームや外国語は認知への負荷がとても高いので、そのぶんだけ認知機能の低下を遅らせることができるというんですね。
ってことで、この研究では、認知機能がしっかりしてる60〜85歳の高齢者153人に協力をお願いして、以下の3グループに分けてます。
- ゲームで遊ぶ
- 音楽鑑賞
- 外国語学習
各グループはコンピュータを使ったトレーニングを週5時間ずつ、合計で6ヵ月間にわたって受講。認知機能の変化については、ベースライン、6ヶ月、9ヶ月の3ポイントで評価して、どんな違いが出たかをチェックしております。
その結果がどうだったかと言いますと、
- ゲームと外国語学習は認知機能のいくつかの指標を改善したが、音楽鑑賞は改善しなかった
- これらの結果は、トレーニング終了後3ヶ月後も維持された
だったそうで、まだまだ初歩的なレベルの研究ながら、わりとおもしろい結果ではないでしょうか。まぁ過去のデータなんかを見てると、ゲームや外国語に限らず脳への負荷が高い作業ならなんでもいい気はしておりますが。
広い部屋で話した方がいらんことまでしゃべりやすくなるかも
「広い部屋で話した方が言いづらいこともベラベラしゃべりやすくなるぞ!」みたいな話(R)が出ておりました。
これは平均22歳の男女86人を対象にしたテストで、全体を4つのシチュエーションに割り当ててます。
- 小さな部屋(16平方メートル)のなかで小さな机(80cmぐらい)を使って話す
- 大きな部屋(19.8平平方メートル)のなかで大きな机(160cmぐらい)を使って話す
- 小さな部屋のなかで大きな机を使って話す
- 大きな部屋のなかで小さな机を使って話す
その上で、みんなには「薬物の使用歴は?」とか「セクシュアリティの好みは?」といった話づらい質問に答えてもらったところ、
- みんな大きい部屋で会話したほうが落ち着きがあり、「あんまり緊張せずに会話できた」と答え、ヤバい個人情報を漏らすケースも多かった
- 実際の会話シーンを見ても、みんな大きい部屋で話す方が開放的な姿勢になった。特に大きい部屋の大きい机で話すとアイコンタクトの量も増えた
- 机の大きさは、会話のトピックによって「話やすさ」に影響した(セクシュアリティの話では机が広い方が話しやすくなったが、他の話題ではあんま関係なかった)
ということで、とにかく広い部屋で話したほうが開放感が生まれて、そのぶんだけみんないらんことまでしゃべっちゃうらしい。ということで、誰かとフランクな会話をしたいときは、だだっ広い部屋を用意してみるのも一興かもしれませんな。