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不安になりやすい人は脳のダメージに弱いかもよ!という観察研究の話


  

いまんとこもっとも正確性が高い性格テストと言えば「ビッグファイブ」。そのなかでも神経症傾向(不安になりやすさ)のレベルが高い人は何かと問題が多く、幸福度が低くなり、運まで悪くなる(かもしれない)みたいな話があるわけです。

 

 

かくいう私も神経症傾向が強いタイプなんで、なにかと苦労しております。いやんなっちゃいますねぇ。

 

 

が、新しい研究(R)はさらに嫌な感じでして、「神経症傾向だと頭が悪くなる!」みたいな結論になっててさらにヘコんだりしました。

 

 

これはノースウェスタン大学などの研究で、チームいわく、

 

この研究は、個人の性格が歳をとっても認知機能を維持する能力とどのように関連しているかを調査した最初の研究のひとつだ。

 

ということで、個人のパーソナリティと脳の働きがどう関係しているのかをみたわけです。

 

 

研究では1,375人の男女を対象にしていて、

 

  1. みんなの生存中に「死後に脳を解剖していいですか?」と許可を取る
  2. みんなの性格と認知機能のデータをとる
  3. 死後に脳を調べて、神経に異変が起きてないかを調べる

 

みたいな内容になってます。そこで何がわかったかと言いますと、

 

  • 誠実性が高い人ほど、認知症リスクに関わる神経の異変が起きても、認知の回復力が高い
  • 神経症傾向が高いと、神経の異変に対して弱い

 

だったそうで、要するに不安になりやすい人ほど脳のダメージに弱く、認知機能が下がって行きやすいんだ、と(もちろん若い人はその限りではないですが)。

 

 

チームいわく、

 

今回の結果を考えれば、人間のパーソナリティは神経病理に影響を持っている可能性がある。神経症傾向が低くて誠実性が高い人は、神経病理学的な負担があるにもかかわらず、脳機能はより良い働きを維持し続ける。

 

ってことで、歳をとるとどうしても脳にプラークがたまっていって認知や記憶のジャマをするんだけど、不安になりにくい人はそこからの回復力がすごいみたい。

 

 

というと、神経症傾向な人にはまことにツラい話にも思えますが、いちおうチームは希望も与えてくれてたりします。

 

人間の性格は意図的な介入によっても変化する可能性がある。そのため、個人のパーソナリティを利用して認知リスクのある人を特定し、老年期を通じて脳の機能を最適化するための対策を実施できるかもしれない。

 

確かに、ビッグファイブのなかでは神経症傾向はそこそこ修正が効く特性だとされてまして、だいたい4週間のセラピーで有意に変化すると考えられております。

 

 

といってもそう簡単にセラピーに行くわけにもいきませんので、

 

 

 

 

あたりが参考になるかもしれません。よろしくおなしゃーす。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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