「なぜか幸運な人」はどんな性格の持ち主なの?の科学
幸運な人に特有の性格はあるのか?
「幸運になりやすい性格がわかったよ!」ってデータ(1)がおもしろかったんでメモ。
これはレスター大学やマンチェスター大学の研究チームによるもので、250人の男女を対象にしたもの。まず全員に「幸運に対してどう思うか?」を何個か質問して、それぞれの運に対する態度を調べたんですね。具体的には、
- 私は不運に人間だと思う
- 私はたいてい幸運にめぐまれている
- 幸運とは、たんなる偶然ではない
- 私は運を信じている
みたいな項目に対して、自分がどれだけ賛成できるかを採点してもらったわけです。
幸運とは思い込みのことである
なんでこういうことを調べたかと言うと、過去の研究により、「オレは運がいい!」と思ってる人は実際に運がいいことがわかってるからです。2013年に「ラッキーアイテムの効果を信じると本当にラッキーになる」って話で紹介したとおり、
- オレは幸運だ!と思い込む
- 緊張が解けてリラックスする
- パフォーマンスが上がる!
みたいな流れになっております。要するに、思い込みが激しい人は運が良くなるってことですな。そのへんをさらに詳しく知りたい方は「運のいい人の法則」などをご参照ください。
幸運とビッグファイブの関係は?
で、この実験では、さらに全員にビッグファイブのように信頼性が高い性格テストを受けてもらい、各自の「運に対する思い込み」とくらべたわけです。そこでどんな結果が出たかといいますと、まずはビッグファイブの結果から。
- 「オレは幸運だ!」と信じてる人はビッグファイブの開放性が高い
- 「オレは運が悪い!」と信じてる人は外向性が低く、神経症傾向が高く、開放性が低かった
言い換えると、幸運になりやすい人ってのは第一に好奇心の塊なんだってことですね。逆に不運な人は不安になりがちで好奇心が低い人が多いんだ、と。なんかわかりますねー。
不運な人にありがちな性格
さらに不運が起きがちな人の特徴としては、
- ものごとをやたら悲観しがち
- 感情の振れ幅がデカい
- 「心配するのは大事なことだ!」と信じている
- 目の前の問題を避けようとする
- 過去に対して重きを起きがち
- 楽観性が低い
- 未来に希望を持つ能力が低い
- セルフアクセプタンス能力が低い
みたいな感じ。すごーく雑にまとめると、ネガテイブな人は本当に運も悪くなる!って感じでしょうか。もちろんネガテイブ感情にもメリットはあるんですけど、こと幸運の問題に関してはやはりツラいのかもしれんですな。
幸運な人にありがちな性格
では、幸運な人の特徴がどうだったかというと、
- なにかを達成したいという欲求が少ない
- ものごとを悲観しない
- 人生に多くを望んでいない
- 不安の感情に強い
- 楽観性&ポジティブシンキング
- ものごとが起きた原因を外部に求める(いわゆる「統制の所在」)
- 他者との関係性がよい
って感じです。全体的には楽観的な人ほど運も良いってことなんでしょうね。これまた感覚的にも納得であります。
また、当然ながら幸運な人ほど人生の満足度が高い傾向もありまして、
- 楽観的でメンタルがリラックスする
- パフォーマンスが上がって物事が良い方向に進みがち
- さらに楽観的になる
- 人生の満足度上昇!
みたいな良いスパイラルに入ってるみたい。よろしいですなぁ。
まとめ
もっとも、当ブログをお読みの方であれば、いまさら「幸運」とか「ラッキーアイテム」の存在は信じられないというケースのほうが多いでしょうね。
普通に考えれば運は確率の問題でしかないんで、たんに「試行回数を上げるだけでしょ」って話になるんですけど、いっぽうで楽観性のおかげで試行回数が上がるならそれもまたよし!とは思う次第です。