正しい「手の洗い方」バトルに結着がついた件
https://yuchrszk.blogspot.com/2017/09/blog-post_9.html
正しい「手洗い」には2つの流派がある
病気の予防には「手洗い」が基本。いまさら深く考えるような話題でもなさそうが、実は「手洗い」の世界には大きく2つの流派があったりします。具体的には、
- CDC(アメリカ疾病管理予防センター)方式:石けんの泡で手の甲を洗う→指の間を洗う→爪の間を洗う、の3ステップ。だいたい30秒かかる
- WHO(世界保健機関)方式:石けんで手のひらを洗う→手の甲を洗う→指の間を洗う→指の甲の部分を洗う→親指の周りを洗う→手のひらの周囲を洗う、の6ステップ。だいたい42.5秒かかる
って感じ。WHOのほうが念入りな手洗いを勧めてるわけですな。
WHO式のほうが圧勝ではあったが…
が、グラスゴー・カレドニアン大学の論文(1)いわく、
感染を防ぐうえで手洗いはもっとも重要な行為だ。しかし、実際はどのテクニックがもっとも効果的なのかについては限られたエビデンスしかない。
ってことで、意外にも手洗い法に関する研究が少ない点を問題視しております。
そこで研究チームは、42人に医師と78人の看護師に協力を依頼。病院の壁にCDC式とWHO式手洗いのポスターを貼って、どちらかの方法を試してもらったんだそうな。それでなにがわかったかというと、
- CDC式は6%のバクテリアが減ったのに対し、WHO式は21%のバクテリアが減っていた
だったそうな。まぁWHO式のほうが念入りに洗ってるんで当然といいますか。
現実的にはCDC式で十分
ただ、CDC式が6%しかバクテリアが減らないと言われると「手を洗う意味あるの?」って気もしますが、実際はこれでも十分に意味はあるそうな。研究チームによれば、CDC式でも重度の感染症をもたらすバクテリアはちゃんと減ってたってことなんで、日常的には簡易バージョンの手洗いで済ませてもよさげ。
ちなみに、研究チームいわく、
本当の問題は、本職のヘルスケアワーカーですら、65%しかちゃんと手を洗ってないという事実だ。顔に触れたり何かに触ったりする際、彼らの手は無菌ではない。
ってことで、本職の方でも意外と手洗いに40秒もかけてない事実もわかったそうな。まあ一般人の我々がそこまで手洗いに固執する必要はないかもですが、いちおうCDCのガイドラインぐらいは意識しとくといいかもしれませんな。