14秒で体のストレス反応を激減させる技法が見つかった件
https://yuchrszk.blogspot.com/2017/09/14.html
急性のストレスをわざと与えて実験
世の中にはいろんなストレス解消法がありますけども、新しい論文(1)だと「とりあえず楽しい記憶を思い出すだけでも結構いけるよ!」って結論になってていい感じでした。これはラトガース大学の実験で、134人の男女を対象にしたもの。まずは全員の手をしばらく氷水に浸けてもらって、わざと精神的なストレスをあたえたんだそうな。
楽しい記憶を思い出したらストレスホルモン激減
続いて全体を2つのグループにわけまして、- 14秒だけ過去の良い記憶を思い出してもらう(バケーションに出たときとか)
- 14秒だけ過去の普通の記憶を思い出してもらう(いつもの食事とか)
って感じで頭にイメージを浮かべてもらったらしい。すると、良い記憶を思い出したグループは気分が良くなったのはもちろん、
- 普通の記憶グループにくらべてコルチゾールが15%しか増えていなかった!
って結果が出たんですね。たびたび取り上げているとおり、コルチゾールは強いストレスを感じたときに増えるホルモン。別に短期的な増加なら構わないんですが、これが慢性的になると風邪を引きやすい体になってしまうので、特に現代人には注意が必要だったりします。
つまり、良い記憶を思い出したグループは、たんに主観的にストレスが減っただけでなく、実際に生理的な反応も変わってたのがナイスなポイント。まさに病は気からと申しますか。
脳の感情コントロールエリアが活性化する
また、この論文では「良い記憶を思い出したグループの脳をfMRIで調べる」って研究もしてまして、こちらはどんな結果だったかと言うと、- 良い記憶を思い出すと脳の感情制御と認知コントロールエリアが活性化する!
だったそうな。ここで活性化した脳のエリアは、急性のストレスを感じると活動が低下しちゃうのが普通なんだけど、良い記憶を思い出しただけで機能をキープできてたわけですな。
ポジティブな回想によって喜びの感情が生まれたおかげで、感情の制御機能を持つエリアが活性化する。そのせいで、身体のストレス反応が治まったのだろう。
もちろん、楽しい思い出でいい気分になるのは当たり前なんだけど、ちゃんとストレスが引き起こす体の反応まで変わるのがわかったのは良い話じゃないでしょうか。
なんせ、14秒だけ良い記憶を思い出すだけでもストレスホルモンが激減するわけですからねぇ。前に「5分以内にストレスと不安が激減する。科学的に正しい「ストレス対策」50選」なんて話を書いたんですけど、ちょっと手持ちのストレス対策レパートリーに入れといてもよさげっすね。