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ネガティブな感情をネガティブに思うとネガティブの悪影響は増す問題

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ポジティブ思考よりも大事なこと 

当ブログではよく「ポジティブ思考って逆効果っすよ」みたいな話を書いております。ポジティブ思考が効くのは短期だけで、長い目で見るとやたら鬱病の原因になるってデータが多いもんですから。

 

 

で、最近になって、「ポジティブに考えるよりもネガティブな感情をネガティブに考えないほうが大事だ!」と主張する論文が2つ出てていい感じでした(1,2)。

 



ネガティブ感情をネガティブに捉えると、メンタルは半年も悪化し続ける

まずひとつめはカリフォルニア大学の調査で、1,003人にオンラインでアンケートを取って、「自分の感情に対して『そんなふうに考えてはいけない』と言い聞かせることがある」みたいな質問に答えてもらったんですね。そのうえですべての回答を分析したところ、「ネガティブな感情をネガティブに思う人」ほど、人生の満足度や幸福感は低い傾向があったそうな。

 

 

さらに別の実験では、200人を対象に「過去の嫌なことを思い出してもらう」って作業を指示したうえで、6ヶ月後のメンタルをチェック。すると、ネガティブな感情をネガティブに思ってる人は、半年も過ぎてるのに、まだ過去の嫌な体験を引きずってたらしい。

 

 

「ネガティブな感情をネガティブに思ってる人」ってのは、たとえば「明日はテストだ…」と不安になったときなどに、たんに「あー、不安だなー」と思ってる人よりも、「不安になるとテストで緊張してしまう!リラックスしないと!」と考えた人のほうが、人生の幸福感は減っちゃうんだって話です。なんとなくわかりますな。

 

 

ネガティブ感情を正しく感じるほうが大事

で、もうひとつの論文は2,324人が対象で、タイトルは「幸福の秘密:それは良い気分を感じることか、それとも正しく気分を感じることか?」みたいな感じ。こちらは8カ国の学生に質問紙をわたして、前述の調査と同じように「ネガティブな感情についてどういう態度を取るか?」を調べていったんですね。

 

 

その結果はやはり同じで、アジア、欧米、中東といった異なる文化圏でも、ネガティブな感情を普通に感じている人のほうが幸福度は高かったんだとか。つまり、がんばって「良い気分」を味わおうとするよりも、「いまの気分を正しく感じる」ほうが重要なわけっすね。

 

 

研究者いわく、

 

幸福は単純に快楽を感じるだけの話ではないし、痛みを避ければいいという話でもない。幸福は、自分が正しいと思う意味や価値を体験するところに生まれる。これらの体験は、コンテクストによってポジティブにもネガティブにもなり得る。

 

とのこと。本当に幸福になろうと思ったら人生の意味が大事なんだけど、実際に自分にとって大事な価値を追ってるときは、ポジティブとネガティブの感情がどちらもわくものなんだ、と。そりゃそうですよね。

 

 

ブッダの「二の矢」メソッド

 さらに研究者いわく、

 

ネガティブな感情を受け入れる態度があれば、ネガティブな感情に意識は向かわなくなる。逆に自分の感情をつねにジャッジし続ければ、ネガティブな感情は積み上がっていく。

 

西洋の社会、特にアメリカでは、多くの人がつねに良い気分になろうとする傾向がある。万が一「つねに良い気分」の状態が得られたとしても、「もっと良い気分にならねば」という感情が起きるため、最終的には全体的な幸福感は損なわれる。

 

いくら良い気分を追っても、そこには必ず求める物が得られない状態がつきまとうため、長い目でみれば幸福感は下がるわけっすね。これと似たようなことを2500年前に言ってたのがブッダさんで、兄さんは「二の矢を受けず」といった表現を使っております。

 

苦受にふれられると、憂え、疲れ、悲しみ、胸を搏って泣き、なすところを知らず。 彼らは二種の受を感ずる。見に属する受と、心に属する受である。 比丘たちよ、たとえば、第一の矢をもって射られども、さらに第二の矢をもって射られるがごとし。「雑阿含経」

 

要するに、誰でも嫌なことがあったらネガティブな感情がわくのは当然で、これが第一の矢。ここで止めとけば傷口は広がらないのに、多くの人がネガティブな感情をぐちぐち考えちゃうせいで、さらにダメージを負っちゃうんだ、って話です。これが第二の矢。

 

 

そんなわけで、ネガティブな感情に弱い方は、「二の矢を受けないぞ!」ってあたりを意識しつつ、正しくネガティブ感情を味わう方向に意識を変えると、いたずらに被害を拡大させるのを避けられるかと思われます。どうぞよしなに。

 


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