フィッシュオイルで筋肉痛が減り、筋トレのパフォーマンスも上がる!……かもという実験のお話
フィッシュオイルがエクササイズの回復に役立つ!ってなデータ(R)が出ておりました。フィッシュオイルといえばメンタルヘルスや体内の炎症改善に効くのでは?と言われてますが、筋トレによる筋肉ダメージにも効くのでは?というんですな。
具体的には41人の健康な人を対象にしたテストで、普段から中程度の運動をしているレベルの人を選んだそうな(週に3~5日、合計3~8時間の筋トレを行い、週に2時間以上の有酸素運動を行わないレベル)。実験では全体を4つのグループに分けて、
- 2gの魚油(1400mgのEPA+DHA)を飲む
- 4gの魚油(2800mgのEPA+DHA)を飲む
- 6gの魚油(4200mgのEPA+DHA)を飲む
- プラセボサプリを飲む(紅花油を使用)
って感じにランダムに割り振ってます。サプリメントは1日2回(朝と夜)に分けて同じ量を摂取し、フィッシュオイル1gあたり400mgのEPAと300mgのDHAが含まれていたとのこと。
実験期間は6週間で、7週目にスミスマシンでスクワットの1RMをテスト。そのうえで、1RMの70%を使ったスクワット8回10セット、ジャンプスクワット20回5セットをやりまして、
- 主観的な筋肉痛のレベル
- 筋肉のダメージに関する血液のマーカー(クレアチンキナーゼと乳酸脱水素酵素)
- 垂直跳び、40ヤードスプリント、ニーエクステンションなどでパフォーマンスチェック
といったあたりを調べております。ちなみに、実験の期間中に全員が摂取したタンパク質量は同じレベルにそろえられてまして、体重1kgあたり1.2gをとるように指導されたとのこと。参加者は少ないながらも、なかなか良いデザインではないでしょうか。
では、結果をまとめて見ていきましょうー。
- クレアチンキナーゼは、プラセボ、2g、4gグループでほぼ同じだったが、6gグループは数値が低かった(ただし変動が大きいのでそこまで決定的でもない)
- 乳酸脱水素酵素についても、クレアチンキナーゼとほぼ変わらない結果だった(6gグループが優勢)
- 垂直跳びのパフォーマンスについても、やはり6gグループが良い成績を叩き出した
- スピリントや敏捷性のテストについては、特に目立った違いが見られなかった(ただし6gグループが回復レベルが高かった)
- 筋肉痛についても、6gグループが最も主観的な痛みが低かった(2g、4gグループにも痛みの減少が見られた)
って感じで、全体的には「6gのフィッシュオイルを飲むと筋肉痛が減って身体パフォーマンスが上がるのかも?」みたいな結果ですね。ただし2gと4gを比べた場合はそんな差があるわけでもないんで、ハッキリと「飲めば飲むほど効果が出る」ってわけでもなさそうっすな。
ちなみに、過去にも「フィッシュオイルでパフォーマンスアップ!」みたいな話はちらほらあって、3g/日のEPA+DHAを1週間続けたら筋肉痛が減ったとか(R)、プロテインサプリメントに1.1g/日のEPA+DHAを6週間のんだらクレアチンキナーゼが低下したといった(R)報告が出てたりします。これらも併せて考えると、やっぱフィッシュオイルは運動にいいんだろうなーって気がしますね。
また、今回の新しい実験では4gのグループにはそんなに効果が出てないんですけど、過去の実験では「4gでも意味があったよ!」みたいなケースがあるんで、もしかしたら「今回の運動レベルの違いが関係してるのかな?」って感じです。ここらへんの「どの用量がいいのか?」問題は、まだよくわからんですね。
というわけで、この研究を持って「フィッシュオイルを余分にとると運動に効く!」とは言いづらいものの、他の運動系サプリに比べれば証拠は多いほうだし、回復力やトレーニング適応に対して中レベルの効果がある可能性は高い申せましょう。
もっとも、このブログでは何度も書いてるとおりフィッシュオイルのサプリは粗悪なものも多いのでご注意ください。筋トレに使ってみたい方は、酸化が少ない商品をお選びいただくと良いかと存じます。