新型コロナ禍で時間の進み方が変わった!という人は自分のストレスレベルを調べてみるといいかも
こないだ、懇意の編集さんから「コロナ禍で時間の感覚が変わった。進み方が遅くなった気がする」って話をされて、特になんも感じていない鈍感な私は「へー、そんなこともあるんですねぇ。生活が変わったからですかねぇ」ぐらいの返事をしたんですよ。
そしたら、実際に「コロナ禍で時間の進み方が変わった!」って報告を出してた論文(R)がありまして、「よくある現象だったのか!」と驚いた次第です。
これがどんな研究かと言いますと、
- ロックダウン中のイギリス人604人に協力を願う
- ロックダウン中の時間の認識を尋ねる
みたいになってます。非常にシンプルな調査ですね。
で、結果はこんな感じになってます。
- 約40%の人がロックダウン中に時間の経過が早くなったと感じた
- 別の約40%の人はロックダウン中に時間の経過が遅くなったと感じた
ってことで、実に全体の80%がコロナ禍によって時間の感覚に変化が生じてたらしい。めちゃくちゃ多いですね。
では、具体的にどんな人は時間が早くなりやすいのかと言いますと、
- 若い人たちは、ロックダウン中に時間が加速する傾向があった
- なかでも、忙しく働いている人、自分の社交レベルに満足している人、ストレスレベルが低い人ほど、時間の流れが早い傾向があった
- 内向的で、そもそも社会的な交流を必要としない人も、時間が早く過ぎる傾向があった
って感じだったそうで、どうもコロナ禍で時間が早くなったのは、ふだんの自分が社会的に満足できてるという良いサインなのかもしんないっすね。
逆にどんな人は時間が遅くなりやすいのかと言いますと、
- 年齢が高い人たちは、ロックダウン中に時間がスローになる傾向があった
- 現在の社会的交流のレベルに満足していない人も、時間がスローになる傾向があった
- ストレスが高く、仕事の負荷が低い人も、時間がスローになる傾向があった
だったそうです。そうなると、件の編集さんは現在の社交レベルに満足してないのか?とか思うわけですが、とにかくおもしろい現象ですね。
研究チームいわく、
ポジティブな感情と覚醒度の高さは、どちらも時間がより速くすぎていくような感覚と関係がある。
しかし、ネガティブな感情(悲しみ)と覚醒度の低さは、通常よりもゆっくりとした時間の流れと関連する。たとえば、うつ病の人は、うつ病の症状のあいだに、時間の経過が通常よりも遅くなったと報告することが多い。
退屈もまた、実験室や実世界の様々な研究において、時間の経過の遅さと一貫して関係がある。
とのこと。ってことで、コロナ禍だろうがポジティブで忙しい人は時間が過ぎるし、自粛やロックダウンでストレスを覚える人は時間が遅くなるのではないか?って感じっすね。もし自粛やソーシャルディスタンスの影響で時間の流れが変わった人がいたら、自分の感情やストレスレベルをチェックしてみるのもいいかもしれません。
私の場合は、コロナ禍の前からずっと「もう年末!体感4ヶ月なのに!」みたいな状態なので、たんに歳を取っただけだろうと愚考するわけですが。