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新型コロナワクチンを打つ前日にぜひやっておきたいことの話

 

もうちょい待てば新型コロナのワクチン接種が始まりそうな昨今。当然ながら、同じワクチンでも受ける側の状態によって効果は異なるわけで、そこらへんの問題を調べてくれたレビュー(R)が出ておりました。

 

 

これはオハイオ州立大学などのチームによるもので、

 

  1. 約30年前からのワクチン研究を調べる
  2. 49件のデータをピックアップして、「ワクチンの効果をジャマする要因」をまとめる

 

といった手順で大きな結論を出す内容になってます。インフルエンザ、B型肝炎、腸チフス、肺炎などのワクチンの効果に対する心理的な要因を調べて、この知見を新型コロナにも活かせないか?と考えたわけですな。

 

 

その結果として、免疫の反応が下がっちゃう人に多かったのが「ストレスが大きい人」で、たとえば、

 

  • B型肝炎ワクチンの免疫反応を調べた研究では、最終的にはすべての参加者に抗体ができたが、それまでの時間はストレスや不安が大きい人のほうが長かった

 

  • 高齢者を対象にした肺炎球菌ワクチンの研究では、認知症の配偶者のケアなどで慢性的にストレスを感じている人は、ワクチンから3~6ヶ月で抗体反応が低下しやすかった

 

  • 71歳以上の高齢者を対象にしたインフルエンザワクチンの研究では、ストレスレベルが高い参加者ほど抗体ができにくかった

 

みたいな事例が確認されておりました。もしかしたら、ストレスレベルが高いと抗体ができるまで時間がかかり、さらにその防御力が下がっちゃうかもしれないんだ、と。ストレスと免疫の関係は昔からよく言われてたんで、「そうかもなぁ……」ってとこですね。

 

 

もっとも、研究チームはこの結果を逆にポジティブにとらえてまして、

 

パンデミックは精神的にもやっかいな要素が多く、特に不安や抑うつを引き起こしやすい。これらのストレス要因は、人の免疫システムに影響を与え、感染症を回避する能力を損なう可能性がある。

 

ここで重要なのは、ワクチンの効果を下げるストレス要因は、個人の意思で修正ができるところだ。先行研究では、心理的・行動的介入でワクチンの反応性が改善することが示唆されている。短期的な介入であっても効果的が出るケースも少なくない。

 

とのこと。ストレス対策をバッチリしておけばワクチンの働きが良くなるんだから、これはやるしかないでしょう!って話っすね(もちろん、過度な運動をしすぎると逆効果なので、あくまで自分が心地よいレベルの運動を心がけけていただければ)。

 

 

というわけで、チームが具体的にどんな方法をおすすめしているかと言いますと、

 

  • ワクチン接種前の24時間に少しきついぐらいの運動を行い、十分な睡眠をとろうね!

 

って感じです。ワクチン前日に運動と睡眠の改善を行うだけでも、免疫反応が良くなる可能性があるんだそうな。もちろん、普段から定期的にストレス対策をしておくに越したことはないものの、最低でも前日のコンディションは整えておく!と考えると、だいぶハードルも低くなりますね。

 

 

また、その他の方法としましては、

 

 

あたりも先行研究で良い効果が確認されてるとのこと。とにかく重要なのはワクチンを打つ前にストレスを減らしておく!ってことなんで、心がけておきたいっすねー。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。