朝に超低糖質→昼と夜に地中海食でダイエットがはかどる?説
減量を目的とした食事療法にはいろんなものがあるんですが、そのほとんどは、
- カロリーをガッツリ制限する(一般的なダイエット)
ってパターンになってます。食事の内容を変えるやり方っすね。
ただし、最近では「食事のタイミングも重要なんじゃないの?」と言われてまして、いくつか実験が進められております。食欲や代謝をコントロールするホルモンの働きは1日のうちの時間帯でガンガン変動するんで、そのタイミングにしたがって食べたほうがいいのでは?って考え方がメジャーになってきたんすよね。
ってことで新しい研究(R)は、
という仮説を検証しておりました。なかなか他の実験では見かけない組み合わせで、なかなかユニークでよろしいのではないでしょうか。
まずは実験デザインをまとめておくと、こんな感じです。
- 2型糖尿病で肥満ぎみな男女70名(18~65歳)を集める
- 参加者を半分に分けて、ひとつのグループには「朝昼晩と地中海食をとる」ように指示し、残りのグループには「朝だけ糖質がそうカロリーの2%以下の低糖質食+昼夜は地中海食をとる」ように指示する
- 2カ月後にどんな変化が出たかを調べる
どちらの食事も、1日の総エネルギー消費量の推定値にもとづいて、体重を維持するのに必要なカロリーより700kcalを減らした食事を続けたらしい。そこそこハードなカロリー制限っすね。
でもって、実験前と後の体重やらコレステロールなどの変化を調べてみたら、
- 朝食に糖質制限をしたグループは、地中海食だけを続けた場合よりも、体重(3.46kg)、ウエスト周囲径(3.21cm)、体脂肪(1.45kg)の減少が大きかった
- 上記の変化は、女性よりも男性の方がより大きかったが、どちらにも効果があった
- 総コレステロールとLDLコレステロールについては、地中海食だけグループの方が減少率が高かったが、LDLコレステロールについてはその差は有意ではなかった
- その他の脂質、糖尿病マーカー、肝臓の健康マーカーについては、グループ間に明確な差はなかった
というわけで、朝だけ糖質制限食をとったグループのほうが、2ヶ月目の体型は良くなってたらしい。ほほーうって感じっすね。
ただ、残念なことに、この文献には参加者が何をどれだけ食べたかみたいな情報が書いてないんで、実験の内容を実際に試してみるのが難しくなってます。地中海式の内容とかもうちょい詳しく書いてくれるとありがたかったんですが……。
で、なんで「朝食を低糖質にしたグループ」の方が痩せたかは謎なんですけど、過去に当ブログで紹介した話で言いますと、
みたいな報告がいくつかありまして、おそらくは朝にタンパク質が増えたせいで食欲が調整されたんかなーとか思っております。ちなみに、朝に低糖質食を実践した参加者は、
- 卵、脂肪分の多いチーズ、ソーセージ、スモークポーク、ハムなどの食品をメインに選ぶ
- 朝食で最低300kcal、最高500kcalを摂取する
みたいな指示が出たそうで、朝食はほぼタンパク質と脂肪で構成されてたみたいっすね。そんなわけで、いまからカロリー制限に挑む方は、「朝に低糖質+昼夜に地中海式」の組み合わせを試すのもありかもっすねー。