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抜け毛に「キャピキシル」や「高麗人参」は本当に効くのか?問題



不老長寿メソッド」の特典には「育毛に役立つテクニック」をまとめたPDFがついてくるんですが、そこで取り上げなかったのが「抜け毛にハーブは効くのか?」みたいなポイントです。「育毛に効く!」みたいに言われるハーブはいろいろあるんですが、全体的には証拠不十分なものばっかりで、書籍で紹介するには不向きだったんですよね。

 

 

ただ、新しいデータ(R)は、「ハーブ治療はAGA(男性型脱毛症)に効くか?」ってのをいい感じで調べてくれておりました。これはタイのパトゥムターニー大学などの実験で、

 

  1. AGAに悩む男女32人を集める

  2. 全員を「ハーブ治療」または「3%のミノキシジル」のどちらかに割り振る

  3. 参加者は1mlのトリートメントを1日2回ずつ当日に塗り、24週間の違いをチェックする

 

みたいになってます。ハーブ治療にどんな成分が入ってたかと言いますと、

 

  • ビオカニンAレッドクローバー、アルファルファスプラウト、ピーナッツ、ひよこ豆、その他の豆類に豊富

  • アセチルテトラペプチド-3:毛包を守ると言われる成分。「キャピキシル」の有効成分として有名で、ミノキシジルより効果がある?とか言われるものの実力は未知数


  • 高麗人参エキス:ご存じ健康食。抗炎症作用の働きで抜け毛に効くかも?とか言われてる

 

の3つだったそうです。いずれも近年は「育毛に効くかも?」に言われてる成分で、特に「キャピキシル」については気になる方も多いんじゃないでしょうか?

 

 

ちなみに、ハーブ治療には、上記の成分のほかにも、水、アルコール、パンテノール、ココア酸PEG-7グリセリル、イノシトール、香料、PEG-40、水添ヒマシ油、メントールなどが入ってたとのこと。最終的な毛髪の評価は、三重盲検のスタイルで専門の皮膚科医が毛髪数、毛量指数、患者の満足度をチェックしたそうです。

 

 

でもって、結果がどうだったかと言いますと、

 

  • 正面から見た毛量のスコアはミノキシジルのほうが有効だったが、その差は統計的に有意ではなかった
  • 頭皮の頂点エリアでは、ミノキシジルとハーブ治療の改善レベルに差はなかった
  • ミノキシジルとハーブは、どちらも同じぐらい毛髪の数が増えた(毛髪量指数はミノキシジルの方が上)
  • 患者の満足度はミノキシジルとハーブでどちらも同じぐらい改善した

 

って感じだったそうです。これだけ見ると、やはりミノキシジルには勝てないものの、「あれ?意外とハーブも善戦してる?」ぐらいの印象ですね。ハーブにはこれといった副作用もなかったようで、なかなか良さげ。

 

 

ただ、惜しむらくはこの文献ではハーブエキスの実際の量が開示されておらず、正確なフォーミュラがよくわかんないんですよね。その点でこのデータは、すぐに現実に応用できるようなものではなく、あくまでハーブの可能性を示す事例ぐらいにとらえておくほうが無難っすね。

 

 

まー、それでも試してみたいという方は、あくまでミノキシジルの標準治療を続けつつも、「キャピキシル」と高麗人参のローションを加えてみるのもいいかも………?ぐらいの感じでしょうか(コストがかかっちゃうので、個人的にはもうちょいデータを待つべきだとは思いますが)。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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