このブログを検索




メンタルを改善したいなら年齢ごとに食事を変えたほうがいいのでは?説



 

年齢によってメンタルに良い食事は変わるんじゃない?」ってなおもしろい仮説(R)が出ておりました。

 

 

これはニューヨーク州立大学などの研究で、2,600人以上の男女を5年間(2014年~19年)にわたって追跡。食べているもの、運動の量、その他のライフスタイルを調べたうえで、さらにみんなの不安や抑うつの症状を定期的に調べたんだそうな。

 

研究チームが何を知りたかったか問うと、こんな感じです。

 

私たちの食事やライフスタイルの変化は、異なる年齢層や性別にもとづいてスペクトラム的に考える必要がある。すべての人に効果的な健康的な食事はなく、対策はひとつではない。

 

若者と中年は脳の成熟度が違うし、男女の脳形態にも差があるんだから、それに応じて食事を変えたほうがメンタルにいいのでは?って考え方ですね。まぁ男女の脳については「昔言われてたほど違いはないのでは?」ってのが最近のトレンドだと思いますが、若い人の脳が発達途中なのは間違いなく、確かに食事の影響を受けやすいでしょうなぁ。

 

 

で、長期研究の結果、やっぱり性別や年齢によって食事とメンタルの影響は変わりまして、こんな結果が出ております。

 

  • 若い女性(18〜29歳)がメンタルを向上させるには、以下のポイントが大事
    • 中程度から高い負荷の運動
    • カフェインは控えめに
    • ファストフードは食べない

 

  • 若い男性(18〜29歳)がメンタルを向上させるには、以下のポイントが大事
    • 頻繁に運動をする
    • 乳製品を適度にとる
    • 肉類をたくさん食べる
    • ファストフードは食べない

 

  • 壮年期の女性(30歳以上)がメンタルを向上させるには、以下のポイントが大事
    • 毎日運動する
    • 果物の摂取量を増やす
    • カフェインは控えめに

 

  • 壮年期の男性(30歳以上)がメンタルを向上させるには、以下のポイントが大事
    • 適度なナッツ類の摂取

 

ということで、基本的には「若い人ほどいろいろ食事は注意した方がいいよ!」と「男性より女性の方が食事でメンタルが左右されやすいかもよ!」って傾向が出てますね。私のようなオッサンは適度にナッツだけ食べてりゃいいってことで、なんか楽というか単純すぎて悲しいというか。

 

 

研究チームいわく、

 

若い男女は脳細胞の新しい構造の構築をしているため、より多くのエネルギーと栄養素を必要とする。

(中略)

また、カフェインは、テストステロンやエストロゲンと同じ酵素で代謝されるが、若年層はこれらのホルモンの濃度が高い。そのため、若い男女が高濃度のカフェインを摂取すると、体内に長いあいだとどまって神経系を刺激し続けるため、ストレスが増大し、最終的には不安につながると考えられる。

 

とのこと。歳を取ると性ホルモンの分泌が減るので、そのぶんだけカフェインの代謝が上がり、悪い影響が出にくくなるんだそうな。なるほどねぇ……。

 

 

ってことで、現時点で29歳以下の皆さまは、上にあげたポイントも気にしてみるといいかもしれません。ちなみに、ここで出てきた傾向は、あくまで「メンタルを左右するかもしれない要素」ぐらいな感じでして、決して「オッサンはファストフードを食べてもいい」とかそういう意味じゃないのでご注意ください(誤解する人もいないでしょうが)。

 


スポンサーリンク

スポンサーリンク

ホーム item

search

ABOUT

自分の写真
1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

INSTAGRAM