有名プロバイオティクス「枯草菌DE111」で健康な人でも免疫が改善………するかも?ぐらいの話
「枯草菌DE111」ってプロバイオティクス(腸内細菌)があるんですよ。具体的な商品で言うと、
などに入ってる腸内細菌で、おもに消化不良に悩んでいる人に向けたサプリによく採用されてるイメージですね。
が、近年の動物研究(R)では、「免疫システムの改善にも効くのでは?」などと言われていて、高齢者を対象にした試験(R)でも、枯草菌によって免疫の機能を示すマーカー(sIgA)が増えたとの報告も出ております。腸と免疫の関係は「最高の体調」でも強調したとおりでして、腸が改善すれば免疫にも良い影響が出るのは当たり前でしょう。
ってことでまた新たな研究(R)では、「枯草菌DE111で健康な人の免疫が改善……するかも!」みたいな話になってまして、非常に良い感じでした。
これは44名の健康な成人(20歳から62歳)を対象にした研究で、全体を2つのグループに分けてます。
- 枯草菌DE111(10億CFU、Deerland Probiotics & Enzyme社製)を毎日飲む
- プラセボカプセルを毎日飲む
実験期間4週間で、デザインはランダム化二重盲検プラセボ対照試験になってます。参加者は少ないけどそこそこ信頼はできそうかなーぐらいの感じっすね。
でもって、ここで何を調べたかと言いますと、
- PBMCの変化(免疫の働きを調べるときの定番)
- 毒素に対してどれぐらい炎症反応があるか
みたいなポイントでして、免疫の反応にどんな違いが出るのかをチェックしてます。
すると、DE111を4週間摂取したグループは、
- いくつかのT細胞が免疫調整作用と抗炎症作用を示した!
だったそうです。簡単に言えば、枯草菌DE111を飲んだグループは免疫系の働きが調整されたんだ、と。
まー、プロバイオティクスと免疫の関係はまだ謎が多すぎる分野なので、これをもって枯草菌DE111を飲もう!とは申しません。ただ、研究チームの推測としては、
- 枯草菌DE111で腸のバリア機能が改善されるんじゃない?
- 腸のバリアが改善されたおかげで体内の毒素が減って炎症が低下したんじゃない?
といった仮説は述べられております。チームいわく、
この研究では、枯草菌DE111のサプリメントが持つ抗炎症作用を介して、自然免疫系と適応免疫系の両方の細胞タイプに働きかけ、ヒトの免疫系を調節する 可能性が示された。
今日の状況においては、免疫システムの働きは多くの人の関心事だ。その点における枯草菌DE111の有効性を示したかもしれない。
とのこと。ちなみに、枯草菌DE111については、23名の女性アスリートを対象にした試験(R)でも、「スクワットやベンチプレスの筋力が向上した!」なんて報告出てまして「ちょっとおもしろそうな菌だなー」ぐらいには思いますね。
正直、これだけへではまだサプリを推奨するまでには至らないものの、個人的にちょっと試したい気持ちにはなりましたね。いちおう納豆菌も枯草菌の一種なので、サプリの前に納豆の摂取を増やしてもいいのかもしれませんが。