今週末の小ネタ:孤独を癒す儀式、嘘をつく人は他人の嘘に強い? 記憶の宮殿やっぱりすごい
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
日常の「儀式」が孤独感を癒してくれるぞ!という話
「孤独感は怖いよー、早死にを起こすよー」みたいな話をよく書いております。人間は社会で生きるように設計された動物なんで、孤独にはめっちゃ弱いんですよね。
が、新たなテスト(R)では、「儀式が孤独感を減らす!」って結論になってておもしろいです。儀式といってもアステカの祭壇みたいな怖いやつじゃなくて、
- クッキーを食べる
- 好きなお茶を飲む
- ベッドメイキングをする
みたいに自分がいつもやってることを、ここでは「儀式」と呼んでます。どんな普通のことでも、それが自分にとって何か意味のあることであれば、それは「儀式」とみなしちゃってOK。
これがざっとどんな研究だったかと言いますと、
- 参加者に普段の孤独感のレベルを尋ねる
- 同時に日常で儀式を行う程度を尋ねて、孤独感と比べる
みたいになってまして、その結果、
- 孤独を感じている人は多くの儀式を行うことで、人生の意味を感じていた
- 儀式を行うことで寂しさを感じなくなる
みたいな傾向が出たらしい。研究チームいわく、
特定の方法でお茶を用意するという単純なことでも、それが儀式として解釈される限り、その経験をより意味のあるものにすることができる。
と申しておられます。意味のない行動を反復するだけではダメで、「これは自分の人生に意味がある行為なのだ!」と改めて認識しながら特定の行為を行うのが大事だよーってことですね。そう考えますと、このブログをお読みの方は読書好きが多いでしょうから、あらかじめ「この本で得た知識で人生の意味を深めるのだ!」ぐらいの意気込みで取り組むと、メンタルケアにも役立っていいかもしれません。
嘘をつく人ほど他人の嘘を信じやすい説
「嘘をつくのが上手い人は、嘘を見抜くのも上手い」みたいなことをよく言うんですけど、ウォータールー大学などの調査(R)では、「実際には嘘をつく人ほど他人の嘘にだまされるぞ!」みたいな結論になっておりました。
ここでは数パターンの実験が行われてますが、全体的な調査の方法は似てまして、
- 参加者が普段からどれぐらい嘘を言うかを調べる
- 研究チームが作ったフェイクニュースをどれぐらい信じるかも調べる
みたいになってます。その結果、嘘の頻度とフェイクニュースを信じるレベルには相関がありまして、
- 普段から「説得的な嘘」をつく人は、フェイクニュースにだまされやすかった
- 普段から「回避な嘘」をつく人は、フェイクニュースにだまされにくかった
って感じだったそうです。「説得的な嘘」ってのは「自分を偉く見せたい!」とか「他人を説得したい!」って動機がもとになった嘘で、「回避な嘘」ってのは「ミスを隠したい!」とか「傷つきたくない!」って動機がもとになった嘘を意味しております。
では、なんで「説得的な嘘」をつく人が嘘を信じやすいのかと言うと、「自分の知的能力をより過信しているから」でそうです。自分を偉く見せたいがために嘘をつく人は、認知能力(簡単な数字や語彙のテストで測定)や自分の思考、感情への洞察力が低い傾向も確認されたんだそうな。ダニング・クルーガー効果に近い感じですね。
ってことで、まとめると「自分を偽るのが好きな人は、他人の嘘に引っかかりやすいっぽい」ってことっすね。確かにありそうな話ですな。
記憶の宮殿、やっぱりすごい説
「ものごとを覚えたいなら記憶の宮殿だ!」ということで、私も本の内容を暗記したいときなどに使っております。記憶の宮殿については、「メンタルが改善」や「創造性が上がる」みたいな報告もありまして、押さえておくと便利っぽいんですよね。
で、新しい実験(R)は、「記憶の宮殿ってどれぐらいの実力があるの?」ってポイントをあらためて調べてくれておりました。
これはウィーン大学などのテストで、
って感じで記憶の宮殿の威力を比べたところ、こんな結果だったそうな。
- 基本的には記憶の宮殿が使える人ほど記憶力テストの成績が良い
- 普通の人は平均して30個の単語を思い出すことができたが、記憶の宮殿トレーニングを受けた後は成績が56語になった
というわけで、記憶の宮殿を学ぶと、単語の暗記量が約2倍近く向上するんじゃないのか……と。以前から「記憶の宮殿はすごい!」と言われてたものの、思ったより良い結果が出た感じじゃないでしょうか。
ちなみに、この研究では参加者の脳のfMRI画像も撮影してるんですが、
- 普通の人でも、記憶の宮殿トレーニングを受けた後は、記憶力コンテストの優秀者と同じように脳が働くようになった
といった結論が出たらしい。これはなかなか希望が持てる結果でいいですね〜。