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ダイエットの効果を300%も高める超重要ポイントはこれだ!みたいな話


 

不老長寿メソッド」では、ボディイメージの重要性を強調しております。ボディイメージってのは「自分の肉体に良いイメージがあるかどうか?」を表す言葉で、自分の体が嫌いな人ほど人生の満足度が下がり、ストレスで健康を壊す要因になり得るんですよ。

 

 

でもって、ボディイメージの問題については、2011年の古典的な研究(R)でも重要性が示されてまして、その結論をひとことでまとめると、

 

  • ボディイメージが改善すると、体重の落ち方が3倍も変わる

 

自分の体にポジティブなイメージを持つ人は、そうでない人と比べて、同じ期間でダイエットの効果が3倍も変わるんだそうな。こりゃすごい話ですな。

 

 

具体的には、太り気味に悩む239名の女性を対象にした調査で、全体の平均年齢は37.6±7.1歳になっております。

 

 

実験期間は12ヶ月で、まずは「鏡で全裸の自分を見ると『太ってるな……』と感じる」や「自分の体を意識させるような衣服は避ける」といった文章で全員のボディイメージをチェック。その上で、参加者の半数には「ボディイメージの改善プログラム」に参加してもらってます。

 

このプログラムがどのようなものだったかと言いますと、

 

  • 自分の体重の変化を数字で記録して、客観的な数値の感覚を身につける
  • 両親の体重の変化も調べて、自分の遺伝的な要因も確認する
  • ダンスのクラスに参加してもらい、「自分の肉体がどう動くか?」「どのような体型をしているのか?」に関する意識を高める
  • リラクゼーション法を教えるクラスに参加してもらい、ボディイメージからくるストレスをやわらげる
  • 「そもそもボディイメージとはなんぞや?」について学ぶ
  • セルフモニタリング日記をつけてもらい、ネガティブなボディイメージを感じた場面と、その状況における自分の思考を記録(例えば「こんなに腹が出てて恥ずかしい……」とか)
  • 否定的な自分の思考を、より現実的な思考に置き換える(「腹が出てるといっても別に誰かに責められるわけでもない」とか)

 

みたいな手法が使われてます。全体的には認知行動療法をベースにしたプログラムになっていて、いかにも効きそうな気がするわけです。

 

 

で、その結果は上でも見たとおりで、12ヵ月でみんなどれぐらい体重が減ったかと言いますと、

 

  • ボディイメージを改善したグループ=開始時と比べて-7.3±5.9%の減少
  • ボディイメージを改善しなかったグループ=開始時と比べて-1.7±5.0%の減少

 

だったそうで、およそ3倍の差が出たんだそうな。まぁ体重の減少率で比べるのはややアレな気もしますが、ボディイメージを改善したグループの方が確実に効果が出たのは間違いないっすね。

 

 

研究チームいわく、

 

この結果は、ボディイメージの改善、特に個人的な生活におけるボディイメージを軽減することが、体重コントロール時における食事のセルフコントロール能力を強化する可能性を示唆する。

 

とのこと。ボディイメージが悪いと、ストレスのせいでダイエット中でもドカ食いをしちゃうんだけど、ボディイメージが改善すると抑制が効くようになるわけっすね。これはわかりますなぁ。

 

 

ちなみに、ボディイメージへの不安といってもいろんな要素がありますが、なかでも食生活の変化に強い影響を与えていたのは、

 

  • 他人の意見に対する不安を軽減すること

 

だったそうです。つまり、「こんなに腹が出てたらバカにされるのでは……」といった不安を、「たいていの人は私の腹などそんな気にしてない」や「バカにされたとて私自身の価値が下がるわけではない」といった現実的な見解に変えるのが、もっとも効果的なわけっすね。

 

 

もちろん、この手の話は言うはやすく行うは難しなんで、本気で取り組みたい方は「認知行動療法実践ガイド」などをご参照ください。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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