このブログを検索

脳機能を1日中ブーストさせたいなら「朝に30分間の有酸素運動」が最強説

 


 

運動が脳に良い!って話は死ぬほど書きすぎてて、もはやいくつのエントリを書いたかわからないぐらいなんですが、新しいデータ(R)は、

 

  • 手っ取り早く効果を得たいなら、朝に30分間の有酸素運動が最高では?

 

と思わせる結果になってていい感じでした。これは西オーストラリア大学などの調査で、67名の高齢者(55~80歳)を対象に、3パターンの運動を割り当ててます。

 

  1. 朝の9時に30分の運動をして、そのあとは16時まで座って仕事

  2. 朝の9時に30分の運動をして、そのあとは30分おきに3分のウォーキングをはさみつつ6時まで座って仕事

  3. 運動をせず朝から16時まで座って仕事

 

「朝30分の運動」はランニングマシンを使っていて、軽く傾斜をつけた状態で時速3.2キロのウォーキングをしたとのこと。一般的な歩行スピードが時速4キロなんで、そこまでキツい運動でもないっすね(傾斜がついてるんで普通のウォーキングよりは負荷が高いですが)。

 

 

また、朝に運動を行なった後の仕事ってのは、コンピュータ画面の前で座ったまま作業を行う感じだったそうで、座りっぱなしの時間は6.5時間だったとのこと。座り仕事が多い人だとこれより多く座ってるケースもめずらしくないでしょうね。

 

 

でもって、その上でみんなに「Cogstate」って認知テストで精神運動機能、注意力、実行機能、作業記憶を評価してもらったところ、結果はこんな感じになりました。

 

 

  • 朝の運動で得られた脳の改善効果は、その後6.5時間にわたって続いた!

 

  • 逆に長時間座ったままの状態が続くと、作業記憶テストのスコアと実行機能が低下する

 

 

ということで、朝に30分の運動をしておくと、その後ほぼ1日にわたって脳機能の改善効果が続くらしい。それも、HIITぐらいハードな運動でなくても、中強度の有酸素運動ぐらいで十分な意味がありそうなんだから、非常によろしいですね。

 

 

研究チームいわく、

 

座りっぱなしままだと認知機能が下がってしまうが、運動をすればすぐに認知機能を改善できる。特に中強度の運動を朝に行えば、その後の座り作業を断続的なウォーキングで中断すれば、高齢者のBDNFとワーキングメモリまたは実行機能も改善する。

 

1日を通して最適な認知機能を維持するためには、座りっぱなしを避けるべきだ。今回の研究は、中等度から多量の身体活動(MVPA)には神経の保護効果があり、生涯にわたって脳の健康を維持するために奨励されるべきであることを示す。

 

ということで、朝にちょい早めのウォーキングぐらいをしとくと良さそうっすね。この実験を参照してガイドラインをまとめると、

 

  1. 朝起きてから1時間後に、軽く息が上がるぐらいの早歩きを30分ほど行う(会話ができないレベルまで負荷を高めなくてもOK)

  2. その後、普通に座ったまま仕事を行う

  3. 30分おきに休憩をはさみ、3分ぐらいの軽いウォーキングを行う(普通のウォーキングでOK)

 

って感じになりますね。私の場合は、朝目が覚めたらステッパーでウォーキングをしつつ仕事に取りかかってるんですけど、まぁ中程度の運動って感じではないので、作業の前にもうちょい負荷が高めのエクササイズでもした方がいいのかもですな。


スポンサーリンク

スポンサーリンク

ホーム item

search

ABOUT

自分の写真
1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。