ブロッコリーで筋トレからのダメージ回復がはかどるんじゃないの?みたいな実験の話
ブロッコリーは良い野菜だよなぁ……とつねづね思ってるわけですが、新たに神戸大学などから「ブロッコリーを食べると筋トレがはかどるんじゃない?」って話(R)が出てて、まことに良い感じでした。
たとえば、ベリー類にふくまれるアントシアニンなんかは、昔から「運動パフォーマンスが向上する!」とか「運動による酸化ストレスに効く!」って話は昔からよくあるんですけど(R,R)、ここでフォーカスされているのはブロッコリーに豊富なスルフォラファンという化合物です。
こいつは体内でさまざまな効果を発揮するんでが、今回の研究では「スルフォラファンが抗酸化反応を高めるおかげで運動による筋肉ダメージを防ぎ、トレーニングからの回復を助けてくれるのでは?」ってのがポイントになってます。
今回の試験は10名の男性を対象したもので、
- スルフォラファンを30mgを飲む
- プラセボのサプリを飲む
ってどちらかに割り振った上で、みんなに1ヶ月間毎日サプリを飲み続けてもらったんだそうな。その後、参加者には1RMの85%でベンチプレスを8回 × 3セット行うように指示した上で、みんなに血液検査をして筋肉のダメージと炎症マーカーを測定したんだとか。
で、最初のテストが終わったら、今度は各参加者の条件を入れ替えまして(最初にスルフォラファンを補給した人にはプラセボを与え、最初にプラセボを与えられた人にはスルフォラファンを与える)、もう一度1ヶ月ほど毎日サプリメントを飲み続けて、上と同じような計測をしたらしい。いわゆるクロスオーバーデザインですな。
さて、血液のチェックをしたところ、結果はこんな風になりました。
- スルフォラファンのサプリを飲んだ場合、トレーニング後24時間のクレアチンキナーゼ(筋肉ダメージの指標)がより低く、トレーニング後30分でインターロイキン6(炎症の指標)が低かった
というわけで、どうやらスルフォラファンは筋トレのダメージをやわらげ、さらに炎症レベルもさげてくれるかもしんないらしい。これはちょっと嬉しい感じっすね。
が、当然ながらここにはいくつかの注意点がありまして、
- 参加者は筋トレ慣れしてない人っぽいので、そのせいで効果が大きめに出た可能性もあるかも?(明確には書いてないので謎ですが)
- スルフォラファンに確認された効果はそこまで大したものではなく、インターロイキン6レベルはトレーニング後24時間までにグループ間で同程度になっている
- 筋力、筋持久力、パワーなどの評価をしていないので、スルフォラファンが筋トレに役立つかはよくわからない
といったあたりはお気をつけください。まだ未知数なところは多いんで、「ブロッコリー食べて筋トレパフォーマンスアップだ!」とはまだ言えない段階であります。
まぁ、スルフォラファンみたいなイソチオシアネート系化合物は抗炎症&抗酸化作用があるのは「不老長寿メソッド」でも書いたとおりですし、ブロッコリーがタンパク質も豊富な優良食材なのは間違いないので、筋トレ好きは積極的に食べていって問題なし。ブロッコリー系のサプリも存在してますけど、基本的には食品からとった方が体内で有効利用されますんで、ぜひ野菜として食べていただければと思う次第です(甲状腺の問題には注意しつつ)。