フォームローラーって使う意味があるんですか?問題
こんなご質問をいただきました。
フォームローラーって意味あるのでしょうか?ジムにあるのでランニングの後にコロコロしてるのですが、特に効いているような気がしません。
とのこと。フォームローラーってのは、↓みたいなマッサージ器具の一種で、確かに筋トレの後にゴロゴロやってると快適なんすよね。
で、果たしてこいつに意味があるのか?って問題ですが、結論から言えば”あります”。フォームローラーの研究はいろいろあるんですが、いまんとこ一番まとまってるのはケープタウン大学などによるレビュー論文(R)でしょう。
こいつは過去のフォームローラー研究から49件をピックアップしたレビューで、いきなり結論から引用すると、
フォームローラーは筋肉のこわばりを軽減し、柔軟性を高める可能性がある。(中略)
フォームローラーは筋肉痛を減少させ、PPTを増加させたので、トレーニングからの回復を最適化する可能性がある。
みたいになってます。とりあえず多くのデータを見る限り、フォームローラーは筋肉のガチガチ感や筋肉痛やわらげる効果がありそうっすね(そこまで劇的な効果ではないものの)。
まぁこのレビューで対象になった研究のうち、26件は「フォームローラーが瞬発力を使う運動に効くのか?」ってのを調べてまして(垂直跳びとかスプリント)、例えばランニングとか筋トレにどこまで効くかと言われれば、もうちょい研究は必要な気がします。
ちなみに、このレビューでは、「どんな風にフォームローラーを使うのがいいの?」ってとこも調べてくれてまして、こんな結論を出してます。
トレーニングセッションの前に動的ストレッチやアクティブウォームアップと組み合わせて使用する必要がある。
さらに、これらの効果を得るための最適な使用量は、90秒〜120秒だと思われる。
積極的なウォーミングアップの一環として(フォームローラーを)使うことは、柔軟性とパワーの両方を必要とするスポーツに特に有効だ。
ってことで、運動の前に動的ストレッチとフォームローラーを2分ぐらい組み合わせて使うと、体がよく動く状態のまま運動に臨めるのではないか、と。そう考えると、サッカーとかバスケをやるような方は、特にいいのかもしんないですね。
さらに、その他のフォームローラーを使う際のポイントとしては、
- 運動前にフォームローラーを使う際は、主観的に1から10のスケールで5の圧力レベルを目指す(10点を「めちゃくちゃ痛い」ぐらいのレベルと考えて、その評価軸で真ん中ぐらいの強さで行う)
- 1つの部位を30秒から60秒かけてローリングし、別の部位に移るまでに短い休息をとる
といったあたりも指摘されておりました。ふとももやふくらはぎを、それぞれ気持ちよく感じるぐらいの圧力で30秒ずつローリングしていけばいいんだ、と。ちなみに、ローラーによる柔軟性の向上は10分以上は続かないそうなんで、そこはご注意ください。
ってことで結論に戻ると、そこまで過大な期待を抱かない限りは、フォームローラーは筋肉のコリや痛みをやわらげる方法としてよいのではないかと思います。今回のレビューでは「運動前の使用」を推奨してますが、個人的には運動後でもそれなりに効果はあるかと思っております。どうぞよしなに。