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亜鉛が足りないとメンタルがガンガンに病んじゃうぞ!というメタ分析の話


近々、亜鉛トローチを出す予定で動いているわけですが、その流れで、また新しく「亜鉛はメンタルに良いのか?」ってのを調べたメタ分析(R)が出ておりました。もともと、体内の亜鉛レベルが低い人ってのは、メンタルの疾患や、それにともなう肉体の病気(皮膚疾患とか感染症とか)と関連があると言われてまして、亜鉛のサプリが効く可能性がしてきされてたんですよね。

 

 

で、このレビューでは、13件の観察研究と7件のRCTをピックアップして、「亜鉛サプリとメンタルの関係」を掘り下げてくれてます。参加者の数は、観察研究のうち横断研究27,296人、コホート研究15,852人、RCTじゃ319名で期間が2~12週間だったのこと。

 

 

細かいところを書く前に、まずは大きな結論を指摘しておくと、以下のようになります。

 

  • 7つのRCTをメタ分析したところ、亜鉛のサプリは鬱病の減少と関連していた [WMD = −4.15 point; 95% CI: −6.56, −1.75 point; P < 0.01)]。さらに、亜鉛のサプリは、抗鬱薬を投与されていない鬱病患者の鬱病スコアを低下させた。

 

  • 4つのコホート研究の分析では、亜鉛の摂取量が多いほど、鬱病のリスクが28%近く低下する [RR: 0.66; 95% CI: 0.50, 0.82)]。

 

  • 9つの横断研究の分析では、体内の亜鉛濃度の高さは、鬱病のリスクと逆相関していた[RR: 0.61; 95% CI: 0.51, 0.70]。

 

  • 亜鉛のサプリによる抗鬱効果は、軽度から中等度の患者さんにおいて最も顕著だった。

 

ということで、やはり前から言われてきたとおり、亜鉛が足りないとメンタルを病みがちになり、それをサプリで取り返すことができそうな感じっすね。この分析によれば、多くの鬱病患者は亜鉛不足のケースが多く、逆に食事などで亜鉛の摂取量が多い人は、鬱病のリスクが28%も減少していることが確認されてまして、亜鉛の重要さをあらためて考えてしまうわけです。

 

 

また、亜鉛とメンタルについては、2013年のメタ分析(R)でも「亜鉛の血中濃度が低いと鬱病になりやすいよー」と指摘されてたりします。こちらのレビューは、1,643人の鬱病患者さんのデータにもとづいてまして、「うつ病患者の亜鉛濃度は対照群と比べて約-1.85mmol/L低かった。うつ病の重症度が高いほど、相対的に亜鉛の欠乏が大きい」って感じだそうな。まだまだわからないところはありつつも、亜鉛とメンタルの関係は、さらに研究する価値がありそうっすね。

 

 

では、なぜ亜鉛が鬱病のリスク低減に関係するのか?ってとこが気になりますが、正直いまんとこ明確なメカニズムは謎です。

 

  • 酸化ストレスが減るから?
  • NMDA(記憶や学習にかかわる受容体)が関係してる?
  • 脳由来神経栄養因子(BDNF)が増える?
  • 神経新生が活発になる?
  • ストレスホルモンが減る?
  • 内分泌・免疫系の働きがよくなる?

 

などなど、想定できる要因がめちゃくちゃありまして、複雑すぎてメカニズムを判断しづらいんですよ。まぁそれだけ亜鉛がいろんな働きをしてるってことですが。

 

 

ちなみに、この知見は、健康な人(鬱病でない人とか亜鉛が足りてる人)には一般化できないかもしれないので念頭に置いておいていただけると幸いです。すでに亜鉛が足りている人が、いくら亜鉛を飲んだところで意味はないだろうし、亜鉛を飲み過ぎたら害が出る可能性もありますんで。そこはくれぐれもご注意ください。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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