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もっとも効果的な感情コントロール法トップ10

 


感情のコントロールが大事!ってポイントに反対する人は少ないでしょう。感情をちゃんと調整できる人は仕事で成功しやすいし、勉強もよくできるし、老化の予防にもなるしといった報告がされてまして、人生に欠かせないスキルの筆頭と言えるんじゃないでしょうか。

 

 

といったところで、新たに「プロのセラピストに最も効果的な感情コントロール法を尋ねたよ!」ってリサーチ(R)が出てて、なかなか参考になりました。

 

 

この調査に参加したのは582人のセラピストで、平均年齢42歳、経験時間の中央値は4,000時間だったそうな。全体的には認知行動療法(CBT)系の人が多くて、ざっくり内訳を書いておくと、

 

  • 認知療法(18%)
  • 行動療法(25%)
  • 第三世代認知行動療法(12.0%)

 

みたいになります。非CBT系のセラピストさんは、実存療法(3%)、対人関係療法(7%)、力動学的精神療法(15%)、来談者中心療法(4%)みたいになってます。

 

 

調査では、まずはすべてのセラピストに、よくあるストレスフルなシチュエーションを提示。「恋人と喧嘩した!」「パーティに誘われない!」「大事な試験に落ちた!」「高額なローンを組んだ!」「病気にかかった!」みたいに、いくつかの状況を想像してもらったうえで、「こんなときに使える感情コントロール法ってなんですか?」と尋ねたんだそうな。

 

 

すべての感情コントロールテクニックは、0点(効果なし)から100点(極めて効果的)の範囲で点数をつけてもらいまして、どの手法が良いかを決めてます。あくまでセラピストたちの主観的な採点ではありますが、現場でつちかった知見をもとにした採点は、それなりに意味があるでしょう。

 

 

では、どのような結果が出たかを、ランキング形式で見てみましょう!

 

  • 1位 問題解決(67点):状況を変えたり、根本的な原因を探して解決策を探す。

  • 2位 感情サポート(52点):他人からのアドバイスを求めたり、他者のサポートを受ける。

  • 2位 リアプレイザル(52点):ストレスフルな状況を違う視点からとらえなおす

  • 3位 感情表現(50点):自分がどう感じているかを外に出す。

  • 4位 情報収集(49点):その状況で何が起きているのかにかんする情報を集める。

  • 5位 アクセプタンス(46点):その状況を受け入れる。

  • 6位 気をそらす(22点):テレビを見たり、運動をしたりして気をそらす。

  • 7位 人間関係の改善(21点):他人になにか親切なことをする。

  • 8位 離脱(20点):その状況から立ち去るか、そこから自分の責任を取り除く。

  • 9位 感情の秘匿(6点):感情を表に出さない。

 

というわけで、ランキングの傾向をざっくりまとめると、「とりあえず問題の解決に向けてがんばって他人のアドバイスを求め、どうにもならない部分は考え方を変えて受け入れよう!」みたいになりそうっすね。なんだかんだで問題を解決するのがベストってのは、わかっちゃいるんだけど他にないですかねぇって気にもなりますが。

 

 

ちなみに、以上の結果は、先行研究とも一致していて、たとえば2010年のメタ分析(R)では、「問題解決をよく使う人ほどメンタルの病気にかかりにくいよ!」と結論してたりします(r=-0.31)。一方で「自分の感情を隠す」て方法は、精神疾患と正の関連が出てるんですよね(r=0.34)。ここらへんを合わせても、やはり「まずは問題解決を考える!」ってのは正しそうですね。

 

 

最後に「問題解決」の考え方を簡単にまとめておきましょう。なんらかのネガティブな状況におちいったあと、「問題解決」は以下のように進みます。

 

  1. 問題と目標を細かく定義する
  2. 目標のじゃまをする障害を特定する
  3. その障害を克服するための解決策をブレインストーミングする
  4. ブレストで出てきた解決策の候補を評価する
  5. 最もコストがかからず有益だと思われる解決策を選ぶ
  6. 解決策を実行する
  7. 結果を評価する

 

現実に起きる問題ってのは、多くの場合、いろんな人の思考や感情、価値観が複雑に絡み合うため、まずは問題を定義することが最初の重要なステップになります。

 


たとえば、あなたが「仕事が忙しくて遊ぶひまがまったくない!」って問題に悩んでいるとしたら、

 

  1. 「遊ぶひまを作る」という目標を設定する
  2. 疲労、スケジュールの不一致、仕事の量など、さまざまな障害をピックアップする
  3. 仕事量を減らす、上司と交渉するなどの解決策を考える
  4. その解決策の中から一つを選んで実行し、実際に遊ぶひまが増えたかをチェック

 

みたいになりますね。一般的には、問題と目標をできるだけ具体的に定義することが一番重要で、そこからできるだけ創造的な解決策を考えていくのが問題解決のコアであります。まぁ言うは易しで、これをつねに心がけるのは難しいところもありますけど、問題解決マインドみたいなものは持ち続けるにこしたことはないでしょうね。

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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