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今週の小ネタ:エクササイズのパフォーマンスを上げる音楽の選び方とは?みんな見た目のレベルが同じ人と付き合ってる?瞑想で腸内環境が整うんじゃないの?


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

 

 

エクササイズのパフォーマンスを上げる音楽の選び方とは?

運動に最適な音楽のテンポを調べたぞ!」って研究(R)が出ておりました。音楽が運動のモチベーションを高めるのは常識ですが、最もやる気を出させてくれる音楽のBPMはどれぐらいなのかって問題ですな。

 

詳細に入る前に、まずはその結論を言っておくと、

 

  • ワークアウトに最適な曲のテンポは120~140BPMだ!

 

  • ただし、世代や曲の親しみやすさ、歌詞の内容によって、各個人に最適なテンポは異なる可能性もあるよ!

 

  • また、歌詞がなくて自分になじみがない曲の場合、最もやる気を起こさせるテンポは約10拍速く、130~150BPMぐらいになるよ!

 

みたいな感じです。音楽の好みや世代に関係なく、ワークアウトの曲は120~140BPMぐらいが、有酸素運動のパフォーマンスに最も良い影響を与えるらしいんですな。

 

ちなみに、この研究は、音楽のテンポと有酸素運動をするときの人間の精神について調べ、数十年にわたる過去の研究を再検討したもの。その結果、速くてアップテンポの曲ほど運動のモチベーションを高め、きつい運動を楽にする効果があることがわかったらしい。

 

もっとも、ここで扱った研究は、参加者のほとんどが20代なので、私のようなオッサン世代には、もう少し違う結果が出るかもしれない点はご留意ください。とはいえ、数少ない中年向けの研究でも、だいたい120~140BPMがスイートスポットだって結論なので、運動をする際は、自分が好きな曲のなかから120~140BPMの曲を探してみると良いかもしれません。

 

 

みんな見た目のレベルが同じ人と付き合ってるぞ

「みんな見た目のレベルが同じぐらいの人と付き合ってるよねー」って結論のメタ分析(R)が出ておりました。

 

過去の恋愛研究でも、「多くのカップルは自分と同じレベルのルックスの相手とつきあう」って報告がなされていて、「同類交配」なんて名前もついてたりするぐらいなんですが、果たしてこの現象は本当なのかってのを調べたわけですね。

 

研究チームは、過去に行われた27の研究を抽出し、そこから約1300組のカップルのデータを分析。すべてのカップルの外見の美しさを、自己評価&第三者に評価してもらった上で、それぞれのデータを比べたんだそうな。

 

そこで何がわかったのかと言いますと、

 

  • みんな自分の外見の魅力をそこそこ正確に判断できている(自分で「まぁまぁの見た目」と評価した人は、他人からも「まぁまぁの見た目」と思われている確率が高かった)

 

  • みんな、自分の見た目レベルと同じような相手と付き合う傾向があった(自分は「顔が良い」と思っている人は、周囲から「顔が良い」と思われている人を恋愛のパートナーに選ぶ確率が高かった)

 

  • 付き合う期間が長くなるほど、男性の方が見た目の魅力を正しく自己評価できるようになった(年を取るとともに若いころのナルシシズムが薄れるのが原因だと思われる)

 

って感じです。以前から言われてきたことと同じ結論ではありますが、大規模なメタ分析で、あらためて結果が認められたのはデカいですね、

 

ちなみに、そう言われると「世の中には不釣り合いなカップルも多いけどなぁ……」と思う人もいるでしょうが、その点については、過去に以下のような文章を書いてますんで、参考になさってくださいませ。

 

 

 

 

瞑想で腸内環境が整うんじゃないの?

瞑想で腸内環境が整うんじゃないの?みたいなデータ(R)が出ておりました。腸と脳がつながっているって話は過去にも書いたとおりですが、この研究では、腸内細菌が脳に影響を与えるだけでなく、脳もまた腸内細菌に影響を与えている可能性を指摘しているんですな。

 

これは仏教僧を対象にした研究で、まずはみんなの腸内をチェック。このデータを、瞑想をしていない一般人のデータと比較したところ、両者の腸内環境には違いがあることがわかったんだそうな。

 

具体的には、よく瞑想をしている仏教僧は、プレボテラ属、メガモナス属、フェカリバクテリウム属を含むいくつかの属が多い傾向がありまして、これがメンタルや健康の改善につながっている可能性が高いらしい。

 

研究チームいわく、

 

仏教僧の腸内細菌は、不安、うつ病、心血管系疾患のリスク低下と関連しており、免疫機能を高めるかもしれない。

 

とのこと。もちろん、あくまで小規模な調査なので、これだけで「瞑想で腸内が良くなるんだ!」とは思わないでくださいませ。たとえば、瞑想で腸内環境が良くなるのではなく、ある種の腸内細菌を持つ人ほど瞑想をするだけなのかもしれませんし。

 

ただ、個人的には「瞑想で腸内環境が改善するのはあるかもなー」と思ってたりします。それと申しますのも、

 

  • マウス研究とかだと、ストレスが腸内細菌叢にネガティブな変化を引き起こすって報告はわりと多い。

 

  • 過去の研究では、ストレスでコルチゾールのレベルが高くなり、それが腸内細菌に影響を与えることが示されている。

 

って報告が、これまでにチラホラ出てたからです。一般的に、ストレスが多い人は腸内環境も悪い傾向がありまして、瞑想がもたらすメリットの少なくとも一部は、腸内環境の改善からもたらされる………のかも?ぐらいには言えるでしょう。

 

まぁ、腸内環境を改善するには食事が最も大事なことは変わらないんですけど、瞑想でストレス対策をしてみるのもアリなのかもしんないですねー。

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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