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科学的に正しい最強の快眠法は「あえて睡眠時間を減らす」

Bed

  

「科学的に正しい最強の快眠法は『あえて睡眠時間を減らす』だ!」という論文(1)が話題になっておりました。

 

 

睡眠薬よりも効果がある快眠トレーニング法とは? 

これはバーネット大学の研究で、「睡眠制限法」の効果を調べたもの。その名のとおり、あえて睡眠時間を減らす快眠テクニックでして、昔から心理学の世界でよく使われてきた方法であります。過去に行われた20件の実験データを調べ直したところ、「睡眠制限法は睡眠薬よりも効果がある!」って結論が出たんだそうな。すごいですねぇ。

 

 

具体的にどんな方法かと言いますと、

 

  1. 実際の平均的な睡眠時間を把握する:まずは自分の睡眠時間の平均を計測しましょう。「Sleep Cycle alarm clock」のようなアプリを使ってもいいし、活動量計の睡眠モニター機能を使うのもいいかと思います。ここで大事なのは「ふとんに入っている時間」ではなく、「実際に眠った時間」を計測することです。
  2. 睡眠時間をもとに、ふとんに入る時間を決める:たとえば平均の睡眠時間が5時間で、毎朝7時に起きなければならない人の場合は、深夜2時が就寝時間になります。ただし、1日の睡眠時間を4時間30分より短くするのはやめましょう。
  3. 決めた就寝時間を1〜2週間ほど守る:ステップ2で決めた就寝時間を1〜2週間は守り続けます。ここで大事なのは、決めた就寝時間になるまでは絶対にふとんに入らないこと。「深夜2時に寝る!」と決めたら、その時間までは寝室にすら入らないのが理想です。もちろん、ふとんの中で読書をしたりスマホを見たりするのは論外。
  4. 睡眠の質が高まるのを実感する:1から3のステップを守ると、少しずつ睡眠の質が高まっていきます。理想としては、ふとんに入って10〜20分で眠りにつければOK。日中に眠気が出てきたら、次のステップに進みます。
  5. 少しずつ睡眠時間を増やす:睡眠時間を制限して日中に眠気が出た場合は、就寝時間を15分ずつ早くしていきます。いままで深夜2時に寝ていた場合は、1時45分にふとんに入るようにしましょう。これで睡眠の質が上がったら再び就寝時間をくり上げていき、日中の眠気が無くなるまで続ければOKであります。

 

 といった感じ。とにかく決めた就寝時間と起床時間を守るのが大事でして、ふとんに入って20分過ぎても眠れないときは、いったん寝室を出て眠気が襲ってくるまで他のことをしてくださいませ。最初の3日ぐらいはツラいですが、だいたい1週間ぐらいで睡眠の質が上がっていくケースが多いとのこと。



 

なぜ「睡眠制限法」は効くのか?

「睡眠時間を削ったら眠くなるのは当然じゃないの?」と思っちゃいそうですが、このテクニック、実は認知行動療法の考え方をベースにしております。

 

 

というのも、うまく眠れない人の多くはふとんに入ったままダラダラしてる時間が長く、これが不眠の大きな原因のひとつになってるんですね。具体的には、

 

  1. ふとんに入ったままダラダラする
  2. 脳が「ふとんはダラダラと起き続けるための場所である」と認識する
  3. ふとんに入っても眠れなくなる!

 

って仕組みになっております。不眠の原因は脳の勘違いなんですな。

 

 

この問題を解決するには、脳に「ふとんは寝るための場所ですよ」と教え直すのが一番。睡眠制限でダラダラした時間をなくすことで、脳が再プログラミングされていくわけですね。よくふとんでゴロゴロしつつ本を読んだりゲームをしがちな方は、脳が勘違いを起こしてる可能性が大きいんで、ちょっと試してみちゃいかがでしょう。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。