ワシントン大学の心理学者に学ぶ効率のよい勉強法
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「記憶させよう!(Make It Stick)」って本がおもしろいです。
ワシントン大学の心理学者が、最新の認知科学をベースに効率のよい勉強法について解説した一冊。勉強本としては「受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法」と並んで、科学的で良い本かと思います。
本書による科学的に正しい暗記のポイントをざっくり抜き出すと、
- ノートや教科書を何度も読み返さない:ノートや教科書の読み込みは勉強の基本かとおもいきや、ただ読み返すだけでは非効率的。1回テキストを読んだら、その内容を自分の言葉でまとめなおし、キーポイントは何かを考えるほうが大事とのこと。その際、テストに出そうだと思う問題を自分で作るのがもっとも暗記の効果は高いらしい。
- ノートや教科書にアンダーラインを引かない:アンダーラインを引いてしまうと、チェックした文章の位置だけを記憶してしまい、内容が頭に残らなくなっちゃう。数ある勉強法のなかでも、もっとも効率が悪いテクニックなんだそうな。
- 学習スタイルにこだわってはいけない:「視覚型」と「聴覚型」で学習のスタイルを変えたほうがいいなんてアドバイスもよく聞きますが、実はこの説は実験では証明されていないそうだ。
- 専門用語は自分の言葉に置き換える:脳の機能を「象と象使い」に例えてみたりとか、難しい概念を自分なりに表現してみると記憶に残りやすくなる。
- まずは1人で考えぬく:「問題集はガンガン答えを見た方がいい」ってアドバイスもよくありますが、これも実際は逆効果。答えを見る前に徹底的に考え抜いたほうが、記憶の定着は格段によくなるらしい。
- つめ込み学習は最悪:これは経験的に理解しやすい話ですが、やはり一夜漬けのつめ込みは最悪とのこと。少しずつ勉強してからよく眠り、記憶の連合を高めたほうがよい。
- できるだけテストをくり返す:著者たちの実験では、何度もテストをくり返した学生たちは、そうでない学生にくらべて30%も成績が良くなった。たんにテキストを復習するよりも、自分にテストを課したほうが格段に記憶に残りやすいようだ。
- 結局は暗記カードが最強:本書でイチオシされているのが「暗記カード」。定期的にカードの順番を入れ替え、パッと見で答えが浮かぶまでは決してカードを取り除いてはいけないとのこと。わたしが英語を勉強したときも、最終的には暗記カードがベストだった記憶があるので、この意見には大いに賛成であります。
といった感じです。具体的な手順として単純化すると、
- テキストを読んで自分で問題を作る。
- その問題を暗記カードに書き込む。
- 暗記カードでテストをくり返す。
- よく寝る
のようになりますかね。本書には、他にも使えるTIPSが山ほど出てますんで、気になる方はご一読されると楽しいかと思います。