無理やり笑顔を作ると幸せになれるが、その事実を知っていると効果が出ない
「無理やり笑顔を作ると幸せになれるよ!」って研究が昔からあるんですよね。実際、割りばしを横にくわえると、なぜか楽しい気分になることが数々の実験で証明されてまして、そのへんは「アズイフの原理」として「その科学があなたを変える」にもくわしく紹介されております。
なんですが、近ごろ出た論文(1)を見てたら、どうもこのテクニックが効かない人もいるらしい。 これは、被験者にペンを横にくわえてもらったり、ネットのバカ画像をみてもらったりした実験でして、あらためて笑顔と幸福度の関係を調べたんですな。
すると、過去の研究と同じように、大半の人が無理やり笑顔を作っただけで幸せになれたんですが、一定数だけは逆に幸福度が下がっちゃう人がいたらしい。笑えば笑うほど、どんどん不幸になっちゃったわけですね。
それはどんな人だったかと言いますと、「無理やり笑顔を作ると幸せになれる」って事実を知っている人だったんだとか。「楽しいから笑顔になる」と思っている人は作り笑顔でも幸せになれるけれど、心理学の知識を持っていると逆効果になっちゃうという、まことに皮肉な結果であります。
これは、何も知らないうちは「いま自分は笑顔だから楽しいに違いない!」と脳が思い込むのに、なまじ知識があると「いま自分は笑顔だから、楽しくなろうとしてがんばってるんだな…」と脳が解釈するのが原因らしい。知識によって脳がダマされなくなっちゃうんですねぇ。これが事実なら、「その科学があなたを変える」の「アズイフの原理」が根底からくつがえる気もするんですが、どうなんだろう?
そんなわけで、この記事を読んだかたは、すでに「作り笑顔で幸せになれる」テクニックは使えなくなっております。よけいなことをしてすいません(笑)。幸福度のあげかたについては、過去に「4つの要素で幸せはコントロールできる! 」なんかを紹介してますので、そちらもあわせてご参照くださいませ。
credit: Firas Bessadok via FindCC