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これからの「カロリー」の話をしよう

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昔から「ダイエットの基本はカロリー制限だ!」と言われてきた一方で、ここ数年は糖質制限ダイエット界から「いや、カロリー神話は崩壊したんだ!」って主張もよく聞くようになりまして、どう考えていいかわからなくなっちゃうところです。


個人的にも、「カロリーは気にしたほうがいいの?しなくてもいいの?」って質問をよく受けるもんで、現時点でのまとめを書いてみることにしました。



 

 

 

カロリー神話は崩壊したわけではない

過去に「1日6,000kcalを食べても太らなかった男の実験」なんかを紹介したせいで誤解されがちですけど、別にわたしは「カロリー神話は崩壊!気にせず好きなだけ食べてもよし!」とか思ってるわけじゃございません。


「カロリーを減らせば痩せる!」 って発想は、基本的に熱力学の第一法則にもとづいております。エネルギーは作り出すことも消すこともでないので、より多くのエネルギー(カロリー)をとれば、運動や代謝で消費しないかぎり、あまったエネルギーは体に保存されちゃう(おもに脂肪として)。


要は「食いすぎれば太る」ってシンプルな話なんですが、物理法則を否定するのが不可能な以上、この事実を否定するのも無理。それはそうなんだけど…

食品のカロリー吸収量は体内で大きく変わる

一般的に、食品ごとのカロリー量を決めるにはボンベ熱量計って装置を使います。内部に水を張った機械のなかで食品を燃やして、水の温度がどれだけ上がったかを測るわけですね。



これは、単純にエネルギーの量を見るにはいいんですけど、人間にとって有効なカロリーかどうかを測ることは不可能であります。たとえば、

 

  • 調理の方法によって、人体が吸収するカロリーは大きく違う。生キャベツよりも茹でキャベツのほうが消化がいいので、体には取り込まれやすくなる(=茹でキャベツのほうが同じ量でも摂取カロリーは多くなる)
  • タンパク質は炭水化物よりも消化に時間がかかるので、食べた量にくらべて体が取り込むカロリーの量は少なくなる
  • 豆類のように毒素が多いタイプの食品などは、体が消化や解毒にパワーを使うので、そのぶんだけ差し引きの摂取カロリーは減る
  • 最近の研究(1)によれば、血糖値が上がりにくい全粒粉のパンを食べたら、普通の食パンにくらべて消費エネルギーが2倍も上がることがわかった


などなど。ほかにも、腸内細菌の環境や遺伝によってエネルギーの吸収率が変わったりとか、とにかく人体の反応はさまざまで、少しの違いでカロリーの量は大きく異るんですな。つまり…

 

人間の体はカロリー計算機ではない

くり返しになりますが、カロリー神話は間違いなく正しい説であります。が、一方で「食事を減らそう!運動をしよう!」って対策だけでは、いろんな問題が解決しないんですよね。たとえば、

 

  • あきらかに大食いなのに痩せてる人がいるのはなぜ?
  • カロリー制限をしても痩せない人がいるのはなぜ?
  • そもそも、なんでダイエットはこんなに難しいいの?


 みたいな感じ。あきらかに人間の体はカロリー計算機じゃないわけですな。


 では、カロリー以外に何が関わってくるかといえば、

 


あたりが代表的なところかと思います。要は「太る原因はいろいろあるよね」っていう超普通の話なんですが(笑)、これらを1つにまとめたときに、もっとも重要なのは…

 
ホルモン!ホルモン!ホルモン!

いまのダイエット界では、「炭水化物は敵!糖質こそ肥満の原因!」って風潮もありますけども、以前に「質は必要な栄養素なのか、それともただの毒なのか?()(」に書いたとおり、糖質は決して悪者じゃないと考えております。


じゃあ、なんでこんなに肥満に苦しむ人が多いかと言えば、最終的に行き着くのがホルモンの問題。糖質制限でおなじのインシュリンに始まり、痩せるホルモンであるレプチン、脂肪を燃やすT3、食欲をコントロールするグレリンなどなど、体重に関するホルモンは山ほどありまして、それぞれ食べたものによって違う反応を示すことがわかっております。たとえば、インシュリンは炭水化物でグンと増えるのに、脂肪だとそうでもなかったりとか。

 

で、いったんホルモンのバランスが崩れると、食物からとった栄養はうまく使われず、体はガンガン脂肪をためこんでいっちゃう。これはキッチンの流し台みたいなもんで、排水管に問題がないとき(ホルモンバランスが正常なとき)はいくら水(カロリー)を流しても問題ないのに、目詰まりを起こしたらすぐに水があふれちゃう状況に似ております。
 
 

その点で、糖質制限ダイエットは、おもにインシュリンの調整に的を絞ったテクニックでして、炭水化物を減らしてタンパク質を増やすことで食欲を正常化して痩せる仕組み。続ければ効果はありますが、当然ながら、他のホルモンバランスが崩れている場合は無効ですし、やり過ぎると甲状腺ホルモンに悪影響をきたして、逆に太りやすくなったりしちゃう。このへんのバランスは、まことに難しいところであります。

 

パレオダイエット過度な糖質制限はオススメしなかったり質のいい睡眠運動を推奨するのは、すべてはホルモンバランスを上手く調整するためとも言えますね。
 
 
まとめ

そんなわけで、カロリー神話は正しいものの、あくまで部分的な真実。「カロリーを減らせば痩せる!」というのは、「JRを使ったほうがいい?地下鉄のほうが速い?」って質問に対して、「電車で行けば着く!」と答えてるみたいなもんなわけですね(笑)。


credit: Viktor Hertz via FindCC


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41才のプロパレオダイエッター/編集者/ライター/NASM®公認パーソナルトレーナー。国内外の学術論文を読み漁るのが好きな人。パレオダイエットの本を書きました。