睡眠学習で人種や性別に対する偏見が減らせるらしい
https://yuchrszk.blogspot.com/2015/06/blog-post_23.html
「差別や偏見に睡眠学習が効く!」って論文(1)がおもしろいのでメモ。
これはノースウェスタン大学の実験で、40人の参加者たちに、まずはIATテストを受けてもらったんですね。IATは「無意識に持ってる差別意識」をあぶりだすための手法で、たとえば「性差別」についてのテストだったら、以下のような画面がモニタに表示されるんですな。
で、プレイヤーは、「英語学」が「科学または男性」か「人文学または女性」のどちらに属するのかを、できるだけ速く選択するわけです。すると、必ず言って吸うだけ「人文学または女性」を選ぶスピードが遅くなっちゃう人がいるんですな。つまり、その人はいくら「オレは女性差別なんかしていない!」と口では言っていても、無意識のうちに「科学は男のものだ!」って考え方を持ってる可能性が高いんですね。
具体的には、ハーバード大が日本語でできるIATテストを以下で公開してますんで、自分の無意識の価値感を調べてみたいチャレンジしてみるとよいかと。
さて、今回の実験では、IATで参加者たちの「性別」と「人種」の差別傾向を計ったあと、全員に「偏見カウンタートレーニング」をしてもらったんですな。これは、次々と写真と単語をのセット見せていき、より偏見が少ない組み合わせを速く選んでいくというもので、たとえば女性の顔写真と「物理学」って単語をすぐに選べれば高得点が得られる仕組み。その際、参加者たちは、正解を選ぶたびに「ピンポーン」みたいな音声を聞いてもらったらしい。
その後、全員に90分の昼寝をしてもらったんですが、参加者がノンレム睡眠(=深い睡眠)に入ったところで、さきほどの「ピンポーン」って音を聞かせ続けたところ、音を聞かなかったグループよりもIATテストの結果がよくなったんだとか。
つまり、「ピンポーン」って音が無意識のうちに偏見を減らすトレーニングと結びついていて、それが寝ている間に強化されたわけですね。よく「勉強のあとに寝ると記憶が定着する!」って話を聞きますが、わりと似たような現象なのかもですね。いずれにせよ、無意識の偏見がトレーニングで再プログラミングできるってのは、なかなか良いニュースではないでしょうか。