職場で役に立つサイコパスと役に立たないサイコパスの違い
「サイコパスには2種類あるんだよ!」って論文(1)がおもしろかったんでメモ。
役に立つサイコパスと役に立たないサイコパス
これはボン大学の研究で、161名のビジネスマンを調べたもの。性格テストで全員の「サイコパス度」を診断したうえで、さらに職場での評判や仕事のパフォーマンス、社交スキルなんかもチェックしたらしい。
さらに、参加者の同僚にもインタビューを行い、客観的な職場での評価なども調べあげたところ、サイコパスには以下の2パターンがいることがわかったそうな。
- 一次的サイコパス:大胆不敵で恐れ知らず。自分の道を貫き、結果がどうなろうとも怖がらないので、仕事のストレスにもやたらと強い。同僚からは「頼りになる」「助けになる」と支持されている。つまり「役に立つサイコパス」。
- 二次的サイコパス:自己中心的で衝動のコントロールが効かず、他人のことを深く考えないためにチームワークを乱す。当然、同僚からは「面倒なやつ」「近寄らないようにしよう」と思われている。つまり「役に立たないサイコパス」。
とのこと。心理学者のケビン・ダットンによれば、「自己中心的で無責任だけど魅力的で自信家」がサイコパスの大きな特徴だそうですが、この特性が上手く回れば、社会のお役に立つサイコパスになれるんでしょうな。
二次的なサイコパスに巻き込まれないように注意
研究者いわく、
必ずしもサイコパスが反社会的な行動を取るわけではない。彼らの「恐れを知らない」という特性は、ライフセーバーや医師、消防士などの職業で活かしうる。
とのこと。このあたりは「サイコパスの脳は仏教僧の脳に近い」なんて話と同じですね。個人的にはアップルに復帰したあとのジョブズを思い出しました。
また、2種類のサイコパスをわける要素としては、
一次的サイコパスが同僚から支持されるのは、彼らが「社交スキル」を身につけたときだけだ。サイコパスのメリットに、他人を喜ばせるスキルを加えるのが大事だ。
って感じらしい。おそらくサイコパス自体は中立的な特性で、ここにナルシシズムやマキャベリズムが加わると、一気にネットの誹謗中傷のように反社会的な活動に向かっちゃうんでしょうな。
ちなみに、わたしはビビりで不安症な性格なので、おそらくサイコパスの要素は薄そう。そういう人は、できるだけ一次的サイコパスを見抜く目を養い、二次的サイコパスの被害に巻き込まれないことを意識していくのがよさげです。