10日のパレオダイエットで体が細胞から若返るらしいぞ
https://yuchrszk.blogspot.com/2016/06/10.html
ピレネー山中で10のパレオリトリート
こないだ「ホルミーシス」の話を書きました。ざっくりおさらいすると、ヒトの体には適度なストレスが絶対に必要で、現代のように楽な生活ばかりしていると全身が衰えていくって話です。といったところで新たに出た論文(1)では、パレオダイエットがホルミーシスを起動させる効果について調べていて参考になりました。参加者を10日わたってピレネー山中の放り出して、動物も自分でさばかせたという、なかなかハードな実験になっております。
研究者いわく、
慢性的な炎症とインスリン抵抗性の悪化は、現代的な慢性病の大半にみられる現象だ。そこで私たちは、短期間だけ「古代に特有のストレス源」をあたえることで、外からも内からも人体の健康度が改善するのではないかと考えた。
とのこと。現代人の不調は適度な刺激が少なすぎるせいで起きてるんだから、古代人の日常的なストレスを再現すれば、一気に健康になれるんじゃなかろうか、と。まさに「ホルミーシス」と同じ発想ですね。
これはフローニンゲン大学の実験で、22〜67才の男女55名を対象にしたもの。全員を夏のピレネー山脈に送り届け、10日ぶっ続けでアウトドア生活をしてもらったらしい。
その際のルールは、
- 毎日、水場から水場まで平均で14キロを歩く。飲料は自然の水場からくんだ水だけを使う。
- 食事は1日2食。肉類(チキンや魚など)は行きたまま配給され、参加者は自分で動物をさばいて食べなければならない。
- 睡眠は屋外で地べたに寝る。夜間の気温は12〜21度。
みたいな感じ。ある夜は7月にも関わらず雪が降ったんで、さすがにその日だけは参加者をホテルに送ったそうな。なかなかハードですねぇ。
体内の炎症が増えて逆に健康になった!
食事の内容やカロリーは厳密に制限されてまして、できるだけタンザニアに住むハッツァ族の生活に近づけたらしい。ハッツァ族の食事をざっくり並べると、- 1日の摂取カロリーは平均で2,500kcal
- メインの食料は肉(625kcal)とワイルドベリー(625kcal)
- 2番手のカロリー源は、根菜類(425kcal)、バオバブの実(275kcal)、ハチミツ(550kcal)
- あとは、葉物野菜、フルーツ、ナッツ類を状況に応じて食べる
といったところ。ベリー類の消費量がすごいっすね。
さて、 10日後の結果はと言いますと…
- 体重5%減!
- ヒップサイズ3%減!
- ウェストサイズ5.6%減!
- ウエストヒップ比2.5%改善!
- 糖代謝12.5%改善!
- インスリン抵抗性55%改善!
- 空腹時インスリン値58.1%減!
- 中性脂肪や20%減!
- 総コレステロール値13.7%減!
- HDL/LDL比率19.3%改善!
みたいな感じ。もちろん素晴らしい成果なんですが、基本的には想定の範囲内といったところでしょうか。毎日14キロ歩いて自然に近いものだけを10日も食べてたら、そりゃあこれぐらいは変わるでしょうからね。
ただ、ここでおもしろいのは、
- 肝機能の数値が48%悪化!
- 全身の炎症レベルが110%増加!
って変化も出てるとこであります。
炎症レベルが増えたと聞くとビビりますが、これは要するに、エクササイズやプチ断食による短期的なストレス反応のおかげで、長期的な不調(糖代謝や中性脂肪など)が改善したってことです。正しくホルミーシス効果が働いてる証拠なんですな。
個人的にも10日間ぐらいのパレオリトリートをしてみたいですが、ここまで徹底するのは大変そうですなぁ。ちょっと実現に向けて考えてみたいところです。
最後に、参考として実験の参加者に支給された食材をならべておきます。「食事だけでもマネしたい!」という方は使ってみてください。
- バナナ
- リンゴ
- メロン
- マンゴー
- パイナップル
- スイカ
- デーツ
- タマネギ
- レタス
- キュウリ
- ニンニク
- オリーブ
- ニンジン
- マッシュルーム
- ズッキーニ
- アスパラガス
- アボカド
- かぼちゃ
- 長ネギ
- サツマイモ
- ココナッツ
- レーズン
- ベルー類
- ナッツ類
- ハチミツ
- オリーブオイル
- 鹿
- チキン
- ウサギ
- 淡水魚
- ダック
- マグロ
- タマゴ