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相手の意見を変えたきゃ、逆に激しすぎるぐらい賛成せよ!という実験

Argue

 

 パレスチナ問題への意見は変わるか

相手の意見を変えたきゃ、激しすぎるぐらい賛成せよ!」って興味深い論文(1)が出ておりました。

 

 

これはテルアビブ大の実験で、150名のイスラエル人の男女を対象にしたもの。まずは全員を以下の2グループにわけたらしい。

 

  1. 普通のテレビコマーシャルを見てもらう
  2. パレスチナ問題に関わる動画を見てもらう

 

「パレスチナ問題の動画」ってのはこんなやつです。

 

 

ざっくり言えば「イスラエルは道徳的である!ゆえに世界最強の軍隊で問題を解決すべきだ!」みたいな主張を展開した、いわゆる極端なプロパガンダビデオであります。



あえて自分の考え方に合った極論をぶつけたら…

なぜこういった実験をしたかというと、

 

イスラエルには、自分たちは世界でもっとも道徳的な社会に住んでいるという信念を持つ者が少なくない。他人の信念をくつがえそうと試みるのはバカげた話だ。

 

とのこと。要するに、真正面から「戦争反対!」を訴えるのではなく、逆に多くの参加者の考え方に沿ったビデオを見てもらったわけですね(ただし誇張された内容で)。この手法を、研究者は「逆説的思考による介入法」と呼んでおります。

 

 

30%が立場を変えた

実験期間は6週間で、そのあいだ参加者にはくり返しビデオを見てもらったそうな。すると、

 

  • パレスチナ問題の動画を見た参加者の30%が考え方を変えた!

 

って変化が出たんですね。

 

 

実際、2013年の選挙でもマイルドな立場の政党に票を入れる参加者が増えたそうで、要するにイスラエルにも責任があること認め、パレスチナに同情する人が増えたわけですね。うーん、すばらしい。

 

意見の違いによって起きる戦いは、実際の問題そのものに原因がないことが多い。実際は、個人の心理的なバリアが、平和のチャンスを妨げているのだ。

 

わかってても素直に意見を変えられないのが、多くの議論がケンカに発展しちゃう原因なんだ、と。これはわかりますなぁ。

 

 

この実験は「政治問題」ってデカい話を扱ってますが、日常的にも観察されるところではありましょう。私の場合でも、それまでは糖質制限ダイエットに好意的だったのに、やたらと「ケトジェニック最強!」「人生のファイナルアンサー!」「砂糖は毒!」みたいな主張が増えたせいで、だいぶ印象が変わりましたからねぇ(笑)


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