「適度な量の食事をこころがけましょう」はムダなアドバイスだ!問題
適度な量の食事を!はムダなアドバイス
「ダイエットには適度な食事制限が大事!」とよく言いますが、これってムダなアドバイスじゃね?って論文(1)が出ておりました。
論文のタイトルは「みんなどうやって『適度』を決めてるの?」。「ほどほどに」とか「控えめに」とか言うけど、具体的に人々はどうやって適量を判断しているのか、と。
「控えめ」と言われたほうが食べていいような気になる
これはジョージア大学の論文で、3つの実験で構成されております。ひとつめの実験では89人の女性に24枚のクッキーを見せて、以下のような質問をしたんですね。
- いちどに何枚までのクッキーを食べるのが「最適」だと思いますか?
- いちどの何枚のクッキーを食べるのが「控えめ」だと思いますか?
- いちどに何枚のクッキーを食べたら「食べ過ぎ」だと思いますか?
当然、質問2<1<3の順に量が増えていかなきゃおかしいはずですが、実際の結果はさにあらず、
- 67.4%が「最適」よりも「控えめ」のほうが量を多く答えた
- 「控えめ」を「最適」より少なく答えたのは9%だけだった
みたいな感じ。多くの人は「控えめ」と言われたほうが、多く食べていいような気分になっちゃうわけですな。
俺が食べたい量がほどほどである
続いて2つめの実験では、294人の男女にキャンディの写真を見せて、「どれだけキャンディが好きか?」を自己採点してもらったんですね。そのうえで、全員の「控えめ」の基準がどう変わったかというと、
- キャンディが好きな人ほど、「控えめ」のラインを多めに見積もった
みたいな感じ。「俺が食べたい量がほどほどなのだ!」ってことですね(笑)
俺がいつも食べてる量がほどほどである
そして最後の実験では、全員に「いつもどれぐらいジャンクフードを食べてますか?」と質問。これに重ねて「控えめ」のラインをチェックしたところ、
- 自分が好きなジャンクフードほど「控えめ」を多めに見積もった
って結果だったそうな。いつもピザを食べてる人はピザ量が甘くなり、ファストフード好きはハンバーガーに甘くなったみたいな。「俺がいつも食べてる量がほどほどなのだ!」ってことですね(笑)
まとめ
研究者いわく、
多くの人が「ほどほど」に食べたと信じている食事の量は、実際に食べた食事の量とはまったく関係がない。それどころか多くの人は、食べる前に食品の「ほどほどの量」を正しく見積もることもできない。
とのこと。とにかくヒトは自分に甘いので、「お前の食事はいつも食べ過ぎ、オレの食事はいつもほどほど」というジャイアンバイアスに陥りがちなわけですな(適当なネーミング)。
個人的にもこの問題は大事だと思ってまして、「パレオダイエットの教科書」でも「加工食品は全体の食事量の◯%で!」みたいな表現を徹底しました。もちろん、最終的には「体が食べたい量=適量」に落ち着くように変えていくのが目標ですが、それまでは細かい数字で食事量を出してったほうが吉。