悪い習慣を「あえてやってみる」ことで治す逆説的介入テク
https://yuchrszk.blogspot.com/2017/03/blog-post.html
解決したい問題をあえてやってみる
「ガンコな人の意見を変えたいときは極端に賛成せよ」って実験について書いてて、ふと思い出したのが「逆説的介入」っていう心理テクであります。
ざっくり言うと「解決したい問題をあえてやってみる」方法で、例えば、
- ネットをダラダラ見て仕事をしない癖を治したい! → 「毎日15時から1時間だけ徹底的にネットを見てダラダラする」と決めて実行する
- 反射的に怒ってしまう性質を治したい! → 協力者に「これから怒りますんで」と断ったうえで、いつものように怒ってみる
- 手が震えるのが恥ずかしい! → 毎日5分だけ意図的に手を震わせる練習をする
みたいな感じ。治したい行動や感情を、自分の意志で再現してみるのがポイントであります。
悪い習慣に効果が大きい
80〜90年代によく使われてたテクニックでして、1987年には「一般的なセラピーと同じぐらいの効果があるよ」ってメタ分析(1)が出てたり、1995年にもマーティン・セリグマンが「統計的にもいい成功率が出てる」って見解(2)を述べてたりとか。わりと効果が認められた技のひとつかと思います。
逆説的介入に効果がある理由は諸説ありますけど、
- 自己コントロール感が増える:「どうしても手が震えてしまう!」が「自分の意志で手を震わせることができる!」に変わる
- バカらしくなる:自分が好きでやってた「ネットのダラ見」が毎日の義務に変わり、自然とモチベーションが失せていく
といったあたりが有力でしょうね。どちらかと言えば、悪い習慣を止めたいときに効果を発揮しやすいと思います(なので、エクササイズを習慣にしたい!みたいな場面では使いづらい)。
怪しいセミナーでも定番のテク
もちろん、健康の改善にも使える技法でして、
- お菓子が食べたくなる → 毎日18時から10分お菓子を必ず食べ続けるように決め、ちゃんと義務を果たしたかどうかをSNSなどで報告
- 眠れない! → できるだけ眠らないように頑張ってみる
って感じでアレンジしていけばよろしいかと。わりと楽しいテクニックなんで、手持ちのレパートリーに加えとくといいと思います。
ちなみに、この「逆説的介入」は、怪しい自己啓発セミナーとか新興宗教なんかでもよく使われてる印象であります。「自己の改善にともなう恐怖をあえて演じてみるのだ!」みたいな感じで。
テクニックのインパクトが強いうえに、それなりの効果が見込めるんで、活用しやすいんでしょうね。このへんの仕組がわかっとくと、バカみたいな価格のセミナーに引っかからなくてすむかもしれません。