上級者向け筋トレ「スーパセット法」で体脂肪は燃えやすくなるのか?
スーパセット法は減量に向いてる?
こないだ「スーパセット法は筋トレの時短にいいよー」って話を書いたところ、「カロリーの燃えやすさはどうですか?」といったご質問をいただきまして。
前回も書いたとおり、スーパセット法とは、休憩時間を入れずに2種類の筋トレを続けて行うテクニックであります。それならば当然カロリーも燃えやすいだろうから、減量期にバッキバキの体を作るために使えるんじゃないか?、と。
実は私も以前はそう思ってたんですが、近年の研究だとどうやら違うっぽいんですな。例えば2010年にシラキュース大学が行った実験(1)では、10人の男性を対象にして、
- 普通の筋トレ
- スーパセット
の2種類を1週間ずつやってもらったんですね。どちらも10RMで6種類の筋トレを4セットずつで、トータルボリュームは同じであります。
普通の筋トレとスーパセット法の消費カロリーはほぼ同じ
そのうえでみんなの消費カロリーやEPOCを計測したところ、
- 両者のカロリー消費量は、最大で4.78kcalぐらいしか変わらない!
って結果だったんですよ。たんに筋トレの手法を変えたぐらいじゃ、現実的に使えるレベルの差は出ないみたい。
さらにもうひとつ、リオグランデ・ド・スル大学の2016年論文(2)も参考になります。これは22人の男性を対象にした実験で、以下の2グループにわけたんですね。
- 通常のスーパセット:関係が近い筋肉を休憩なして鍛える。例:ベンチプレス → ペックデック → 休憩 → レッグプレス →ニーエクステンション
- バラバラのスーパセット:別々の筋肉を休憩なして鍛える。例:ベンチプレス → ニーエクステンション → 休憩 → レッグプレス → ペックデック
どちらも10RMの85%で、スーパセット間の休憩は3分とのこと。つまり、筋トレメニューの順番を変えてスーパセットをしたときに、消費カロリーに差が出るのかどうかを確かめたわけですな。
筋トレの順番も消費カロリーに影響なし
が、こちらも結果は同じでして、
- 筋トレの順番を変えても消費カロリーには変化なし!
って感じ。要するに、
- 休憩があるなしは消費カロリーに影響がないっぽい
- 筋トレメニューの順番も消費カロリーには影響がないっぽい
みたいなことです。結局、筋トレで消費カロリーを増やそうと思ったら、ボリュームを上げてくしかないんでしょうなぁ。
まとめ
もちろん「スーパセット法」は筋トレのボリュームを増やすのに適した方法なんで、そこさえ押さえておけば減量期に使うのもあり。ただし減量期に筋トレのボリュームを上げるのは精神的に辛いでしょうから、個人的には特にオススメしないかぁ。