一流の栄養学者がまとめた「早死にしないための食事術」
過去40年のデータをレビュー
「早死にを防ぐ食事をまとめてみた!」って論文(1)がおもしろかったんでメモ。
アメリカの研究者が集まって、「心臓と血管にベストな食事はなに?」をチェックしたもの。過去40年ぐらいのデータをまとめたレビュー論文になっております。
系統的レビューじゃないんでエビデンスとしてはゆるいんですけど、日本人の死因の2位と3位も血管系なんで、いろいろと参考にはなりましょう。
早死にしないための食事ポイント
というわけで、ポイントをまとめていきましょう。
▼どのオイルを使うべきか問題
- ココナッツオイル:確かにエネルギーになりやすいし、HDLコレステロールを上げる作用はある。ただし総コレステロールやLDLを上げる可能性もあるんで、よくわからんよねー。使うならバージンココナッツオイルのほうがいいよ。
- パーム油:あんまデータがないけど、冷やすと固まるタイプのオイルはやっぱヤバそう。
- オリーブオイル:いまんとこデータが一番豊富で、心疾患の予防効果は最強。エキストラヴァージンを使ってね。
- サンフラワーオイル:飽和脂肪酸は少ないけど、オメガ3脂肪酸が少なすぎ。
- キャノーラ油:LDLを下げる効果はあるけど、HDLや炎症への効果はない。心疾患への影響は不明。
▼やっぱブルーベリー超すごい
ブルーベリーのアントシアニンに、高い抗炎症効果があるのは間違いなし。一酸化窒素を増やす作用もあって血管を広げる効果も高めだし、糖尿病のリスクも下げちゃう。最低でも週に225g以上は食べておきたいところ。
▼葉物野菜も超すごい
葉物野菜もブルーベリーと同じく抗炎症効果があり、一酸化窒素を増やしてくれる。ただし、食べてから2日も過ぎると効果が切れるんで、とにかく毎日食べていくのが大事。
過去のデータによれば、1日350gの野菜で心疾患リスクが24%減る。ただし、近年のもっと信頼性が高いデータでは「1日800gは食べるべし!」って結論なんで、それぐらいを目指したほうがいいかも。
▼ナッツもすごいが注意点もあり
アーモンド、クルミ、ヘーゼルナッツ、ピスタチオ、ペカンなどは、すべてメタ分析で良い結果が出ている。ただ、なんせカロリーが多いんで、1日30gまでが最低ラインっぽい。
▼野菜ジュースはやめとけ問題
食物繊維を取り去っちゃうタイプの野菜ジュースは、たんにカロリーが増えるだけなんで肥満の原因になりやすい。やめといたほうが無難。
もっとも、食物繊維を残したタイプのジュースについては、普通の野菜との効果をくらべた実験が少ないので何とも言えず。1日の野菜摂取量が足りない場合はしかたないけど、基本的には普通に食べたほうがいいかも。
▼グルテンフリーダイエット
そりゃあグルテンに過敏な人は避けたほうがいいけど、普通の人には無意味じゃない?とのこと。まぁそうですよね。
また、グルテンフリーが体にいいと言われるのは、「グルテンを避けると自然に野菜と果物の消費量が上がるからじゃない?」とのこと。私が思う「糖質制限ダイエットのメリット」と似た結論になっております。
▼やめといたほうがいいサプリ
ビタミンC、ビタミンE、ベータカロテン、セレンなどのサプリは有害だから止めといたほうがいいとのこと。このへんは、「抗酸化について知っておきたい3つのこと」で書いたのと同じっすね。
まとめ
そんなわけで、早死にしたくないたらオリーブオイルを使いつつ野菜をいっぱい食べようね!という話でした。
まことに常識的な結論ではありますが、「ベリー類の能力の高さ」や「野菜は毎日食べないとダメ」(週2でまとめて食っても意味がない)ってあたりは、やっぱ押さえときたいところですねぇ。