自分の体内がどれだけ「炎症」しているかを判断する最強に簡単な方法
炎症が万病の元なのは間違いない
当ブログではよく「慢性炎症に気をつけて!」って話を書いております。 慢性炎症ってのは体のなかでボヤ騒ぎが起きている状態でして、くわしくは「あらゆる不調を引き起こす慢性炎症の話」をどうぞ。
いまのところ慢性炎症が体を老化させるのは間違いなく、炎症が多い人ほど癌の発症リスクが高かったり(1)、糖尿病が悪化したり(2)と、まさに「万病の元」の名にふさわしい感じ。
いっぽうで、100歳超えのご長寿さんは体内の炎症レベルがやたら低いなんてデータもありまして、元気に暮らしたいなら炎症対策は必須であります。
血液検査で炎症レベルを調べるのは意外と難しい
こうなると「自分の炎症レベルはどれぐらいだろう…」ってあたりが気になりますけど、なかなか手軽な診断法がないのが現実であります。一般的に炎症レベルを調べるときは、
- CRP
- インターロイキン
- TNAアルファ
- 赤血球沈降速度
といったあたりをチェックすることが多いんですが、
- 血液検査が必須だし、アンチエイジングドックなどで大金を払う必要がある(10〜15万円ぐらい?)
- 状況によって数値の変動が大きい(ストレスとかでも結構変わったりする)
みたいな問題点があって、意外と判断が難しいんですよね。
体内の炎症レベルは主観で判断してOK
ってことで参考になるのが、有名医学誌BMJに掲載された調査(3)であります。これによると、「体内の炎症は主観でわかる!」みたいなんですよ。
具体的にどうすればいいかと言うと、以下の質問に答えるだけ。
全体的に見て、いまの時点で自分の「健康」は次のどれに当てはまりますか?
「とても良い、良い、普通、悪い、とても悪い」
答えが「悪い」か「とても悪い」のいずれかだったら、体内の炎症は結構ヤバいレベル。「普通」より上であれば、予防に徹していけばOKであります。うわー、簡単。
体調が悪い人は実際に炎症レベルも高い
これはスウェーデンで行われた研究で、49321人の若い男性を対象にしたもの。みんなに上記の質問をしたうえで、赤血球沈降速度っていう定番の炎症マーカーとくらべたんですね。
それでわかったことは、
- 健康が「悪い」と答えた人ほど、赤血球沈降速度の数字も悪かった
- 体重や喫煙、酒、運動、経済状況といった要素を調整しても、相関の強さに影響はなかった
みたいな感じ。要するに、
- 「なんか体調が悪い…」と感じている人は実際に体内が炎症を起こしている!
- 運動をしてようがしてまいが、太ってようが痩せてようが、酒を飲もうが飲むまいが、金持ちだろうが貧乏だろうが、とりあえず「体調が悪い」と感じれば体内で炎症が起きている可能性が高い
というわけですな。これはわかりやすくていいですね。
感情のコントロールも主観的な健康に関係している
ちなみに、この研究では、炎症のほかに「体調が悪い…」と思わせる要素もリストアップされてまして、
- 子供の頃の経済状況が悪かった人
- 痩せすぎ、または太りすぎの人
- 感情のコントロールが効かない人(怒りをガマンできないとか)
- タバコを吸う人
- 運動をしない人
などがあげられておりました。タバコや運動は当たり前ですが、感情のコントロールと主観的な健康が関係してるってのはおもしろいですねぇ。
まとめ
そんなわけで、自分の炎症レベルが気になる人は、まずは自分の健康レベルを5段階で採点してみちゃいかがでしょう。今回の研究だけでなく、2012年にも「主観的に健康な人は体内の炎症性サイトカインが少ない」ってデータ(3)出てまして、それなりに信頼できるんじゃないかと。
どうにも体調が悪いという方は、以下のエントリなどが参考になるかと思います。どうぞよしなに。