腸内細菌が増えれば前向きな性格になれるかもよ
腸内細菌が人間の性格も左右?
前に「人間の脳は腸に支配されている!」なんて話を書きまして、頭を働かせるためにも腸内環境をいたわらないとなー、とあらためて痛感している昨今。とくに近年では、「腸内細菌が人間の性格も左右してるんじゃないの?」って説(1)も出てきまして、なかなか熱い状況になっております。
これはオハイオ州立大の実験で、生後18〜27カ月の幼児77人を対象にしたもの。まずは母親に質問紙をわたして子供たちの気性を採点し、そのうえで全員の便を集めて細菌叢をチェックしたんだそうな。
ポジティブな子供は腸内細菌のバラエティが豊か
そこで何がわかったかと言いますと、
- 活動的でポジティブな感情が多い性格の子供ほど、腸内細菌のDNAがバラエティに富んでいる
みたいな感じ。いろんな腸内細菌が住み着いてる子供ほど、ビッグファイブでいう「外向性」の数値が高かったそうな。おもしろいもんですねぇ。
人体のストレス対策システムが性格に関係
こういった現象が起きる原因として、研究者は「腸内細菌とHPA軸の関係かなぁ…」との推測を立てていらっしゃいます。
HPA軸は「副腎疲労は本当なの?」ってエントリで軽く触れたとおり、脳から副腎にかけてつながるシステムのこと。おもにストレス対策のために働いてくれてるんですが、いっぽうで人間の性格を大きく左右してるんじゃないかとも考えられてるんですな。
実際、いくつかのメタ分析(2)でも「HPA軸が正常に働いてないと、子供も大人も鬱病にかかりやすくなる」って結論が出てまして、これはかなり信頼性が高い話。HPA軸がおかしいとストレスにうまく対処できないので、ネガティブな行動を取りやすくなっちゃうんですな。
腸内細菌が性格に関係する理由とは
で、このHPA軸の不調をもたらす大きな原因のひとつが、当ブログではおなじみの「リーキーガット症候群」であります。腸から漏れ出した毒素が体に炎症を起こし、HPA軸にも悪影響が出てしまうんですよ。つまり、腸をいたわれば良い性格になるんじゃないか、と。あくまで仮説段階ですが。
また、いまの段階では「ネガティブな性格をもたらす細菌」の特定まではいたってないも残念なところ。とりあえずは「リケネラ科やルミノコッカス属、バクテロイデス属が気質に関係してるのかなー」ぐらいだそうで、まだまだ先は長そうですねぇ。
まとめ
そんなわけで、穏やかで前向きな暮らしを送るためには、大人も子供も腸内細菌をいたわってやるのが吉。自信のない方は「腸内フローラ改善のための8ステップ」などを参考にどうぞ。
また、どうしても抗生物質を使わねばならないときは、「抗生物質がもたらす健康ダメージを最低限に防ぐためのガイドライン」をチェックしていただくとよさげです。