やる気を保つための「やらないことリスト」の上手い使い方
やる気が続かない理由とは?
「やる気が続かない!」ってのはよく聞く悩み。ダイエットでも貯金でも、新年に立てた目標の9割が失敗するのはモチベーションが持続しないからでしょう。
ってところで、「やる気をキープする方法」に関する良い論文(1) が出てたんでご紹介です。
これはウィニペグ大学の実験で、「モチベーションと戦略のミスマッチ」について調べたもの。人間のモチベーションのタイプは時間とともに変わっていくのに、同じ戦略を使い続けるからやる気が消えちゃうんじゃないの?みたいな話です。
モチベーションには2種類ある
ここで、研究者は人間のモチベーションを2種類にわけております。
- 推進モチベーション:ポジティブな戦略のほうがやる気が出るパターン。「運動を増やすぞ!」とか「野菜を食べるぞ!」みたいな。
- 予防モチベーション:ネガティブな戦略のほうがやる気が出るパターン。「デザートは食べないぞ!」とか「外食を減らすぞ!」みたいな。
つまり、自分の「やる気」が推進モチベーションのときに「デザートは食べない!」と決めてもうまくいかないし、逆に予防モチベーションの状態で「野菜をもっと食べる!」と考えてもやっぱり食い違いが起きちゃう。モチベーションの種類に応じた戦略を選んでやる必要があるわけですね。
目標に近づくと人間のモチベーションは切り替わる
この仮説をチェックするために、研究者は5つの実験を行っております。具体的には、
- 参加者たちの目標を調べる
- 目標の進捗状況と、それぞれの戦略タイプを調査
- 目標の達成率の違いを調べる
みたいな感じ。それで何がわかったかといえば、
- ゴールが遠いときは、たいていの人は推進モチベーションになる
- ゴールが近づくにつれ、たいていの人は予防モチベーションに切り替わる
といったところです。つまり、何かを始めて間がないときはポジティブな戦略を取り、ゴールを意識し始めたらネガティブな戦略に切り替えたほうがモチベーションは続くわけですね。
一般的に先進国で暮らす人達は、ポジティブに集中した戦略を選ぶことが多い。そのため、スタートダッシュを切るのは上手いが、ゴールを達成するのは上手くない。
ゴールが見えてきたら、「やらないこと」をまとめたリストを作ってみよう。目標の達成をジャマしそうなネガティブな物事を書き出すのだ。
ってことで、目標達成のステージに向けて戦略を切り替えていくのが吉みたい。たとえば貯金がしたいんだったら、
- 最初のころ=労働時間を増やすぞ!仕事をいっぱいするぞ!新しい金銭管理アプリを導入するぞ!みたいな戦略を採用
- 中盤以降=ムダ使いを減らすぞ!外食をひかえるぞ!みたいな戦略を採用
って感じですかね。月から年単位ぐらいの目標をこなすときに心がけておくとよさげですな。