筋トレで頭を良くしたいなら「ボリューム」に注意したほうがいいのかも
頭を良くするための筋トレ法とは?
ここ数年「筋トレで頭が良くなったよー」みたいな研究がチラホラ出てきたんですよ。筋トレをするとBDNFっていう物質が出て、脳が鍛えられるんですな。
筋トレ好きとしてはまことに嬉しい話ですけども、いっぽうでは「筋肉を鍛えても頭が良くなる物質は増えなかったよ」みたいなデータ(1)もありまして、このへんは発展途上って感じ。「どんな筋トレで頭が良くなるのか?」がハッキリするには、まだ時間がかかりそうであります。
ってな状況で、新しく出た論文(1)は「頭を良くする筋トレ法」を考えるにあたっていろいろ参考になりそうでした。
頭を良くするための筋トレ法とは?
これはマードック大学の実験で、15人の筋トレ未経験者を対象にしたもの。ここで研究者が何を問題にしているかと言いますと、「これまでの研究って参加者の追い込みが足りなくない?」みたいな感じです。
というのも、従来のデータは初心者向けの筋トレメニューを採用してるケースが多かったんで、ちゃんと筋肉を追い込めてなかった可能性が高いんですな。いっぽうで、「有酸素運動で頭は良くなるか?」について調べた過去のデータをチェックすると、「ツラい運動ほどBDNFが出る!」って結果が出てるんですよね(なので、HIITなんかはかなり効果が高い)。
筋トレの負荷とボリュームを変えてみたら…
ってことで、この実験では、参加者たちに2パターンの筋トレを試してもらっております。
- 高負荷だけど低ボリューム:5回で限界がくるウェイトを使って5セット。セット間の休憩は180秒
- 低負荷だけど高ボリューム:10回で限界がくるウェイトを使って3セット。セット間の休憩は60秒
負荷とボリュームは変わってますが、もちろん両グループとも「もうダメだ!」ってとこまで筋肉を追い込んでもらった模様。このへんが過去の実験と違うとこっすね。
ボリュームが多い筋トレのほうが頭が良くなるかも
で、トレーニング後に全員のBDNFを調べたところ、こんなグラフになりました。黒いバーが低負荷グループで、白いバーが高負荷グループです。
低負荷グループの伸びが凄まじいことになっております。いっぽうで高負荷のグループは、筋トレ後のBDNF上昇がみられなかったみたい。おもしろいですねぇ。
また、このグラフでは30分後にBDNFが急降下してますけど、これは有酸素運動でも起きる一般的な現象なので心配は無用であります。トレーニング後に血中のBDNFが上がりさえすれば、脳には十分に作用するみたいなんですな。
まとめ
ってことで、今回のデータを見る限りでは、
- 筋トレで頭を良くするには、1回の負荷よりも全体のボリュームのほうが大事…かも
- つまり細マッチョを狙ったトレーニングよりも、体をデカくするためのトレーニングのほうが頭はよくなる…かも
って印象ですね。あくまで小規模な実験なんでハッキリとは言えないものの、「脳に効く筋トレ」を考える参考にはなりましょう。個人的には、筋力アップを目指したトレーニングがメインにしてますが、こういうデータをみちゃうと「体をデカくしようかな…」って気になりますね(笑)