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お腹にガスが発生して痛い!ときにあり得る7つの原因

Seth doyle

お腹にガスが発生するのはなぜ? 

お腹のガスについてご質問をいただきました。

 

ひとつ悩み続けていることがあって…、どうしてもお腹の不快感が消えません。

 

お通じは毎日あるのに何故か胃酸が逆流してたり、朝はぺったんこなお腹が、ひどい時は妊娠6ヶ月?ってくらい(中略)

 

それでリーキーガットだけでなくSIBOを疑うようになりました。 でもpaleo SIBO dietって検索すると、結構みんなバラバラの食事をしていて、どうしたらいいのか迷っています。

 

いわゆる糖質制限に向いていない(ちいさい頃から低血圧・低体温症で低血糖になりやすい)体質なのですが、もしケトジェニックするしかないなら短期集中で挑戦しますし、このままマイルド糖質制限で良ければ続けてみます。 ご意見ぜひうかがいたいです!


とのこと。腹部のガスに関するご相談はいくつかいただいてまして、かなりメジャーなお悩みのひとつかと思います。



 

ガスの発生原因は山ほどある

今回のご質問にある「SIBO」は、腸内細菌のバランスが崩れて、小腸内が菌が異常に増えちゃう症状のこと。この菌が食物を分解する際に大量のガスを発生させる、まことに難しい症状であります。


もっとも、お腹にガスが発生する原因って山ほどありまして、いちがいにSIBOが原因とは言いづらいところではあります。


そんなわけで、このエントリでは、まずお腹にガスが発生する原因を思いつくだけ並べてみます。そのうえで、次回は腸内細菌のバランス問題について考えていこうかと。


腸内に大量のガスを発生させる7大要因 

1.FODMAP不耐症

とりあえずFODOMAPでお腹にガスが発生する人はかなり多め。FODOMAPってなに?という方は、とりあえず「「緊張するとお腹が痛くなる…」を「FODMAP」が解決するかも」などをご参照ください。


ざっくり言うと、FODOMAPは特定の野菜やフルーツに入ってる食物繊維で、当ブログではおなじみのイヌリンなんかもそのひとつ。本来は体にいいはずの食物繊維ですが、体質的にうけつけない人が一定数いるんですよね。


この場合はとりあえずFODMAPが多い食品を減らすのが吉。実際の研究(1)でも、FODOMAPを減らしたらおよそ80%ほど症状が緩和したって報告もあったりします。


ただし、FODOMAP食事法には弱点もあったりしますんで、そのあたりは次回の「SIBO対策編」で考えてみようかと。


2.食物アレルギー

こちらも当ブログではおなじみの話ですね。食物アレルギーは消化器官に負担をかけますんで、当然ながらガスの発生原因にもなるわけであります。


といっても、現時点では食物アレルギーをハッキリ確認するテストがないのが悩ましいところ。本気で確かめようと思うとすごい手間なので、個人的には「プチ除去食実践チャート」などをオススメしております。


なかでもガス発生の原因になりやすいのは、乳製品にふくまれるラクトースとか卵ですかね。まぁ、本当の原因を探るのはかなり手間なんですけどね…。


3.フラクトース吸収不全

 FODMAPまではいかないものの、フルーツの糖質を腸がうまく処理できずにガスが発生するパターン。「なんかフルーツを食べるとお腹が張るな~」という方は、フラクトースが悪さをしているのかもです。


もし心当たりがあるなら、とりあえずフルーツを1〜2週間ぐらい止めてみるといいかも。


4.糖アルコールとか人工甘味料とか

こちらは、以前に「人工甘味料や糖アルコールは腸を荒らす可能性が」 に書いたとおり。甘味料としておなじみのキシリトールやエリスリトールは、腸内で悪い菌のエサいなる可能性がありまして、結果としてガスの原因になることが多め。


キシリトールガムの注意書きには「お腹がゆるくなるかも」とか書いてありますけど、もともと腸内環境に自信がない場合は避けたほうが吉。


5.消化系の不調

糖質やタンパク質を分解する能力が低下しているパターン。そもそも糖質がちゃんと消化されてないので、小腸がうまく処理できるはずもなく、結果としてガスの発生につながっていくという。


それは酵素のせいかもしれないし、胃酸が原因かもしれないし、胆汁が足りないかもしれないし、リーキーガットかもしれないしで、これまた特定は難しい話なんですよねぇ…。


6.SIBO

上でも紹介したとおり、小腸や十二指腸内に菌が異常に繁殖しちゃう状態。普通の菌が増えるだけのパターンもありますけど、有害なバクテリアやカンジダ菌が増殖するケースもあったりします。


こうなると、ガスのほかにも吐き気や痛みをともなったりしてかなり大変。しかも、いまのとこ正確な診断法がないうえに、日本ではSIBOの治療が得意なお医者さんも少なかったり。


完治はかなり難しいとされてますが、くわしい対策は次回に書きます。


7.ストレスや睡眠不足

 前に「人間の脳は腸に支配されている!」なんて話を書いたとおり、中央神経系はお腹につながっております。


中央神経系ってのは、おもに「戦闘用」と「休息用」という2つの活動をコントロールしてまして、ストレスや睡眠不足などで人体に負荷がかかると、一気に戦闘システムが活性化。いっぽうで休息システムの活動が低下して、同時に消化器系の働きも鈍りだすんですね。


その結果、食べたものがちゃんと処理されず、ガスの発生につながっていくという流れ。このあたりは、ストレス対策を徹底していただくしかないでしょうね。

まとめ

腸内にガスが発生する原因をいろいろ並べてみましたけど、せんじつめれば、

 

  • 消化器系にダメージがある(リーキーガットとか)
  • 腸内細菌のバランスが崩れている(SIBOとか)


のどちらかに集約される感じではあります。リーキーガット対策についてはこれまでも何度か触れてきましたが、今回のご質問者さんの場合は「胃酸の逆流もある」とのことですので、やはりSIBOの可能性が高いかもしれません。


そんなわけで、次回は腸内細菌のバランスが崩れちゃう現象、いわゆるディスバイオシスについて考えてみようかと思います。 どうぞよしなに。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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