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美肌に効くかもしんない抗炎症系オイル3選

Skinoil

 

当ブログでは、「スキンケアにはワセリンだけで良くない?」みたいな話を書いております。コスパと研究例の多さからいうと、ワセリンに勝てそうなものがほとんどないものですから。

 

 

もっとも、ここ数年で他のオイルの効果を調べた研究も進んでまして、「ひょっとしたら使えるかなー」ぐらいの商品がいくつか出てきましたんで、そのへんをまとめてみようかと。

 



 

1.シアバター

シアバターノキから採れる植物性脂肪。昔からアフリカで抗炎症と鎮痛のために使われてきたオイルで、美容界でも有名ですな。

 

 

これについてはまだマウス実験の段階(1)ですが、肌の炎症を抑える作用については結構よい成績が出てたりします。具体的には、TNF-α、IL-1β、IL-12といった炎症性サイトカインの分泌量が減り、iNOSやCOX-2といった炎症を進める酵素が減ったとか(2)。

 

 

どうやら、シアバターにはオレイン酸とステアリン酸の割合が多いのと、複数のトリテルペノイド類が炎症の抑制に効いてるっぽいんですな(3)。なので、湿疹やニキビといった炎症性のトラブルにお悩みの方は、試してみる価値はありかも。

 

 

2.ホホバオイル

ホホバオイルは、昔からネイティブ・アメリカンが傷薬に使ってきたオイル。美容界でも保湿剤やヘアケア用によく使ったりしますな。

 

 

ここ数年、ホホバオイルのデータをちらほら見かけるようになりまして、特に2013年のレビュー論文(4)なんかが参考になります。こちらもまだ生体外&マウス実験がメインながら、抗炎症や感染症のブロック効果で希望が持てそうな感じ。

 

 

ほかにもホホバオイルでむくみが取れたりとか、TNF-alphaのような炎症性サイトカインが減ったりとか、傷の治りが速くなったりとか、いろいろとおもしろい現象が報告されております(5,6)。まだ正確なところは不明ながら、線維芽細胞に働きかけてコラーゲンの合成を高める可能性も示唆されてまして、「なんか肌が衰えてきたなー」みたいな方は試してみてもいいかも。 

 

 

 

 

3.エミューオイル

その名の通り、鳥のエミューから採ったオイル。オーストラリアの飛べない鳥ですね。

 

 

日本だとマイナーな気がしますが、ここ数年で実験例が増えてきまして、2015年のレビュー(7)によると、

 

  • カロテノイドが豊富
  • ポリフェノールもたっぷり
  • フラボンもたんまり

 

入ってまして、いかにも炎症系の肌荒れに効きそうなムードを出しております。実際、2016年のマウス実験(8)なんかを見ると、IL-1αやTNF-αといった炎症性サイトカインの量が60〜70%も減ったとか。ヒトでも同じ効果が出るかは不明ながら、かなり良い感じじゃないでしょうか。

 

 

その他、シワの減少やコラーゲン合成の増加といった現象が報告されてたり(9)、髪が生えるかも…といった事例もあったりして、これから流行りそうな雰囲気が濃厚。もうちょい研究が進まないと手放しでオススメはできんのですが、「なんかお肌のハリが…」みたいな方は試してみるのもアリ。

 

  

まとめ

そんなわけで、現時点で美肌に効きそうなオイルをまとめてみました。いずれもマウス実験の段階なので、抗炎症作用がどこまでヒトの肌で再現できるかは不明ながら、マウスやラットの皮膚は人体によく似てるんで希望はあるかなー、と。

 

 

個人的にはあくまでワセリン推しですが、ホホバオイルなんかは安価ですし、ちょっと使ってみようかなーって気になりましたね。 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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