睡眠を削ると24時間以内にメンタルが改善するって本当?
睡眠を削ってメンタル改善?
大昔から「睡眠を減らすと鬱病が改善する!」って説があるんですよ。
そもそもは1818年にドイツの精神病医が考案したもので、鬱病に悩む患者さんの睡眠時間を削ったら、なぜか気持ちが明るくなる現象が確認されたんですな。以降、この手法に関してはいくつもの実験が行われてきまして、俗に「目覚ましセラピー」などと呼ばれております。
だいたいどんなふうに行われるかというと、
- 患者さんを3〜4時間だけ寝かせる
- その後、20〜36時間だけ起き続けてもらう
って感じ。これで鬱症状が改善するというから不思議なもんです。
目覚ましセラピーのメタ分析が
ただし正味なところ、これが本当に効くのかはよくわかってなかったんですけど、近ごろついに「目覚ましセラピー」のメタ分析(1)が出まして、かなり精度の高い結論を出してくれております。
これはペンシルバニア大学の研究で、過去に行われた「目覚ましセラピー」研究から質が高い66件を選んでまとめたもの。年齢や性別、治療薬の種類などは調整されております。
で、どんな結論が出たかというと、
- 「目覚ましセラピー」は鬱病患者さんの45%に効果がある!
って感じ。なんでも睡眠を削ってから24時間以内に、なんらかの気分の改善がみられるらしい。鬱病治療の世界は個人差が大きいもんですが、なかなかの好成績ではないでしょうか?
目覚ましセラピーが効く理由はよくわからない
研究者いわく、
多くの人は、睡眠を削ると鬱病が悪化すると思うだろう。しかし実際は逆だ。いったいなぜ睡眠を削ると気分が良くなるのだろう?
とのこと。睡眠を減らして鬱が改善する理由はよくわからんのですが、
- 睡眠を減らしたせいで体内時計に影響が出るから?
- 睡眠不足だとケタミンが作用するのと同じ脳内レセプターに影響が出るから?
といった仮説が出ております。まぁ具体的なとこはさっぱりわからんわけですな。
まとめ
もっとも、このデータをもって「目覚ましセラピー」を試すのはオススメできない感じです。というのも、この療法は人によって効果の持続時間が短く、なかには軽く昼寝をしただけで症状がもどっちゃうケースも少なくないんですな。
長期的には睡眠不足でメンタルが悪化するのは確実ですし、とりあえずは抗鬱剤が効くまでのつなぎとして使うぐらいがよいのではないかと思う次第です。気になる方は、あくまでお医者さんにご相談くださいませ。